みのりたです。
年末に向けて、冬のボーナス(賞与)金額がチラホラ気になり始める季節ですね。
ボーナスについて調べていると、1つの指標として「200万円」という数字を時折見かけます。理由はよく分かりませんが、年間の合計額だとして、夏冬2回の支給なら1回につき100万円もらえる計算になりますから、確かにまとまった額ではあると思います。
そこで今回は、ボーナス年間200万円という世界に焦点を当て、手取りや税金がいくら持って行かれるのか、またこれだけもらえる企業は年収いくら位なのか?といった情報をご紹介したいと思います。
ただ、記事の後半ではちょっとしたカラクリについても解説しますので、あまり公開されている額に惑わされないよう、最後まで読んで頂ければと思います。
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目次
ボーナス(賞与)の手取りの考え方
ボーナスの手取りとは
会社から支給されたボーナス(賞与)というのは、それが全額手に入る訳ではありませんよね。所得税や社会保険料が哀しいほど差し引かれ、その残りが実際に手に入る金額=「手取り」というものです。その昔は給与や賞与が現金支給だったので、実際に手に取る金額、という意味でこの名が付いたのでしょう。
ボーナスにかかる税金や社会保険料の内訳
ボーナスから天引きされてしまうお金の内訳は、主に以下4点になります。金額が多い順で言うと、厚生年金保険料>所得税>健康保険料>雇用保険料で、手取りが額面の8割以下になってしまう事も少なくありません。
- 厚生年金保険料
- 健康保険料
- 雇用保険料
- 所得税
なお、各保険料の具体的な計算方法については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、参考にして下さい↓↓↓
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ボーナス200万円の手取り計算シミュレーション
では、実際にボーナスが200万円支給されると手取りがいくらになるのか、シミュレーションしてみましょう。本記事では以下B氏の条件を仮定します(計算を簡単にするため、数値は結構ざっくりです)。
- 年間のボーナス支給総額:200万円
- 年収:700万円
- ボーナス支給前月の給与:額面42万円、社会保険料控除後37万円
- 家族構成:専業主婦の妻と小学生の子供2人
※扶養親族:1名(18歳未満は所得税の計算に関係ないので、扶養親族としてカウントされません) - 東京都在住(東京都健康保険組合加入)
天引きされる社会保険料
まずは天引きされる社会保険料です。厚生年金保険料と健康保険料は「標準賞与額」が基準となりますが、今回は標準賞与額も200万円とします。
厚生年金保険料
ボーナスから引かれる厚生年金保険料=標準賞与額×9.15%
=200万×9.15%=183000円
健康保険料
ボーナスから引かれる健康保険料=標準賞与額×4.95%
=200万×4.95%=99000円
雇用保険料
ボーナスから引かれる雇用保険料=ボーナス支給額×0.3%
=200万×0.3%=6000円
よって、天引きされる社会保険料の合計金額は、以下の通りです。
社会保険料合計=183000+99000+6000=288000円
天引きされる所得税額
次に所得税額です。所得税は、賞与の額面-社会保険料合計に所得税率を掛けた金額となります。この所得税率は、前月の給与額面から社会保険料を差し引いた金額によって、あらかじめ決められています。
今回の場合は、社会保険料を差し引いた後の給与が37万円ですので、税率は10.21%です。よって、所得税の額は以下の通りになります。
ボーナスから引かれる所得税額=(200万-288000)×10.21%=174795円
手取りとして残る金額
数字を見ているだけでも、引かれる金額の大きさにため息が出て来ますが、実際に手取りで残る金額を計算してみましょう。
ボーナス200万円の手取り金額=200万-288000-174795=1537205円
実に50万円近くが税金+社会保険料で取られてしまうんですね。もし夏冬の年2回支給で、夏も冬も支給が同額だとすると、1回のボーナスでもらえる手取りは、77万円程度でしょうか。どうでしょう、思ったより少ないですか、多いですか?
繰り返しになりますが、今回ご紹介したボーナスの手取り計算、詳しくはこちらの記事で紹介しています。「自分の場合はどうなるんだろう?」と気になる場合には、是非1度ご自身で計算してみて下さい。
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ボーナスが200万円以上もらえる企業と年収情報
ボーナスが年間200万円以上出る企業情報
大体ボーナス200万円の手取りがわかった所で、世の中どのくらいの企業が年間200万円もボーナスを出してくれるのか、調べてみました。
今回参考にしたのは、東洋経済が会社四季報のデータを基にまとめた「ボーナス支給額の高い企業トップ100社」ランキングです。
これは2017年のボーナス合計金額順に並べたランキングですが、上位100社が全て200万円以上となっていました。昨年(2016年)は200万円以上となったのが84社だったそうですから、ボーナスが増える=景気が上向いている傾向があるようです。
ちなみに2017年のトップ20だけ抜粋します。意外とマイナーな企業が並んでいると思われたのではないでしょうか?
順位 | 社名 | 賞与支給額 | 平均年収 | 平均年齢 |
1 | 住友商事 | 468.8万円 | 1255万円 | 42.8歳 |
2 | 東京エレクトロン | 408.1万円 | 949万円 | 43.9歳 |
3 | ムゲンエステート | 383.1万円 | 808万円 | 39.3歳 |
4 | ディスコ | 379.6万円 | 890万円 | 39.0歳 |
5 | ケネティクス | 347.0万円 | 1107万円 | 41.1歳 |
6 | 鹿島 | 346.2万円 | 947万円 | 43.9歳 |
7 | 大本組 | 330.6万円 | 771万円 | 46.0歳 |
8 | 大林組 | 316.5万円 | 950万円 | 42.3歳 |
9 | ルネサスエレクトロニクス | 316.3万円 | 892万円 | 45.3歳 |
10 | ジャストシステム | 316.0万円 | 906万円 | 39.8歳 |
11 | 新日本空調 | 296.0万円 | 846万円 | 43.8歳 |
12 | 大陽日酸 | 285.6万円 | 841万円 | 42.8歳 |
13 | シマノ | 280.8万円 | 836万円 | 39.8歳 |
14 | ダイダン | 277.9万円 | 930万円 | 43.3歳 |
15 | 第一実業 | 276.1万円 | 788万円 | 39.8歳 |
16 | レノバ | 275.1万円 | 942万円 | 41.0歳 |
17 | 長瀬産業 | 273.9万円 | 890万円 | 40.6歳 |
18 | 森組 | 269.5万円 | 725万円 | 43.3歳 |
19 | パーカーコーポレーション | 266.1万円 | 647万円 | 39.5歳 |
20 | 三井住友海上火災保険 | 263.5万円 | 1138万円 | 46.9歳 |
引用:東洋経済オンライン「最新!これが「ボーナスの多い」トップ100社だ」より一部抜粋
1位は住友商事で、やはり商社はもらっていますね。年間200万円どころか、1回200万円以上です。その他東京エレクトロンやルネサスといった半導体業界や、トップ10に3社も名を連ねている建設業界も、かなり好調のようです。
みのりたは製造業のことしか知りませんが、業界としては、自動車関係はボーナスが多く、家電関係は少ないという傾向があります。自動車業界は今でも労組(労働組合)がそれなりに機能しているため、ボーナスの交渉などもしっかり行われているんでしょうね。逆に家電業界は昔から労組の力が弱いと言われているので、それが賞与額にも反映されているのかも知れません。
ボーナスが200万円もらえる会社の平均年収
東洋経済のデータを見ると、ランキング上位の会社の平均年収も掲載されています。ここから、ボーナス200万円をもらうような人は、大体どの程度の年収なのか?見てみましょう。
年収最大値
今回上位100社にランクインした企業の中で、平均年収が最も高かったのは、1位の「住友商事」で1255万円でした。まぁ順当ですね。賞与額を公表していない他の総合商社も、恐らく同じようなものでしょう。
いいなぁ、商社…働きたいとは全く思わないけど。
年収最小値
逆にランクインした中で平均年収が最も低かったのは、44位の「ピジョン」で474万円でした。100社中、年収が600万円を切ったのはこちらのピジョンと51位の横田製作所だけでした。
単純に平均年収474万円から2017年のボーナス総額228万円を引くと、残りは246万円です。月々の給与が約20万円しかありませんが、一体どんな給与体系なんでしょうね…?あまりまともとは思えないな(独り言)
年収平均値
100社の平均年収の更に平均値も取ってみましたところ、780万円となりました!(年収情報がない会社は除く)
ボーナス200万円以上をもらえる人達は、年収で言うと800万円近くはもらっていることが多いみたいです。
年収中央値
平均だと極端に高い上位の影響を受けやすいので、一応中央値も取ってみましたが、765万円となりました。平均値とそう大きく変わりませんね。上位だけ集めているので、考えてみたら当たり前か…
今回の場合、100社の中央値は50番目と51番目にボーナスの金額が高かった企業の平均値となります。
いかがでしょうか?ボーナス200万円以上がもらえる企業情報、参考になりましたでしょうか。もっとランキングを詳しく知りたい!という方は、参考元である東洋経済オンラインの記事をご確認ください。
参考記事:東洋経済オンライン「最新!これが『ボーナスの多い』トップ100社だ」
ちょっとしたウラ話
と、ここまではネットなどに出ている表向きの情報なのですが、ボーナスや給料の実情というのは、実はこの数字とかけ離れていることも多いです。
例えば、愛知県と言えば某自動車メーカーが有名ですが、先ほどのランキングでは42位で、年間の賞与額平均が230万円と出ていました。しかし大卒の総合職であれば、みのりたと同世代の方々は、ほぼ全員係長クラスにはなっています。彼らのボーナスは、まさにトップ○(自粛しますが1ケタ前半)の金額レベル。
ここでは詳細を省きますが、公開されているデータからは、平均値を押し上げる従業員のデータは巧みに外れており、敢えて平均が低めに出るようになっていると言っても過言ではありません。
また、敢えて給与に関する情報は公開していない企業も少なくありません。世の中には、「なるべく見栄を張りたい(会社の条件を良く見せたい)」企業と、「なるべく給料もらってないイメージを付けたい(お客から文句を言われたくない)」企業があり、この手の「公開データ」に出て来る数値は、各社の思惑によっていかようにも変えられるものです。
もし本記事を読んでいる就活中の学生さんがいましたら、この手の給与ランキングを、あまり就職先の目安にしない方が良いということを、強くお伝えしたいです。
まとめ
ボーナス200万円という1つの目安に対して、手取りは一体いくらくらいなんだろう?どこの会社がそんなにボーナス出してくれるの!?という疑問にお答えすべく、手取りの計算方法と最新のボーナス上位ランキングをご紹介しました。
公開されているだけでも、200万円以上が支給される会社は100社ほどあるそうで、総合商社はやはり強いほか、昨年は半導体業界や建設業界が好調だったようです。
また、200万円以上のボーナスをもらえる会社では、大体年収が750万円以上であることが多いということもわかりました。
あまりこの手のデータを鵜呑みにしてしまうのは危険なので、あくまで「こんな会社もあるんだな」という参考程度に、お楽しみ頂ければと思います。
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