みのりたです。
現在派遣社員やパートで働いている方の中には、厚生年金(社会保険)に加入する(ほど働く)べきか迷われている方もいると思います。確かに、厚生年金の保険料は高いですし、手取りが大きく減りますもんね。特に生活費の足しにしようと働いている方からすると、何のために働いているか分からなくなってしまいそうです。
しかし、ちょっと待ってください。単純に手取りが少し(いや、結構?)減ってしまうからと言って、加入を回避しちゃうのはもったいないです!
今回は、ただ何となく厚生年金なんて加入したくないと思っている派遣社員やパート主婦の皆さんに、厚生年金に加入する働き方のメリットをお伝えしたいと思います。
年齢が上がってきたら、いつまで払うのかも確認しておきましょう↓↓↓
厚生年金保険料はいつまで払う?60歳以上(定年後)の納付はただの損!?
厚生年金保険料はいつまで払う?60歳以上(定年後)の納付はただの損!?
目次
厚生年金の加入要件

2018年(平成30年)6月現在、厚生年金保険&健康保険(=社会保険)への加入対象は以下の通りです。
主に派遣社員の方が対象となる条件
週30時間以上働く人(1日8時間週5日のフルタイム勤務の3/4以上)
主にパート勤務の方が対象となる条件(アルバイトや契約社員等も含む)
- 週の所定労働時間が20時間以上あること
- 雇用期間が1年以上見込まれること
- 賃金の月額が8.8万円以上であること
- 学生でないこと
- 常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること
厚生年金への加入要件(条件)詳細については、年金機構の公式HPをご確認下さい。
年金Q&A(厚生年金の加入(被保険者))
ちなみに、厚生年金には年齢制限のようなものがあり、60歳を過ぎて支払い続ける方は支払期限が70歳までとなっています。
詳しくはこちらの記事で解説しています↓↓↓
厚生年金保険料はいつまで払う?60歳以上(定年後)の納付はただの損!?
厚生年金保険料はいつまで払う?60歳以上(定年後)の納付はただの損!?
厚生年金保険料の金額

厚生年金保険料を決める基準
厚生年金の保険料を計算するためには、標準報酬月額というものを求める必要があります。標準報酬月額とは、被保険者(加入した人)のお給料(残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の金額)を、10万~12万の人は大体11万!といった具合に、一定の幅で区切ったものです。
お住まいの自治体によって、この区切り方が異なりますので、ご自分の標準報酬月額が知りたい場合は、健康保険組合のHPを確認頂くと便利です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
※2018年6月現在の最新版が、都道府県別に確認できます
また、とりあえず簡単に計算したい!という方には、こんなサイトもありますよ。
高精度計算サイト「厚生年金保険料の計算」
保険料の算出方法
派遣社員でフルタイムで働いた時の月給が、24万円だったとします。
※時給1500円、1日8時間勤務、月20日間稼働
※ボーナス、交通費支給無し
みのりたが住む愛知県を例にしますと、月給24万円は23万円~25万円の間ですから、標準報酬月額はそのまま24万円になります。そして同表から厚生年金保険料を読み取ると、実際に払うのは月額21960円ということが分かりました。
出典:全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」愛知県版
こうして見ると、月収の1割近くが取られてしまう訳ですから、やはり厚生年金保険料の負担は大きいですね。
派遣社員やパートでも厚生年金に加入するメリット3つ

1. 老後にもらえる年金の額が増える!
厚生年金に加入しておけば、その期間が長いほど、そして収入を増やせば増やすほど、老後にもらえる年金の金額が増えます。一般的な会社員の家庭が、老後に何とか暮らせるだけの年金をもらえているのは、この厚生年金のお陰です。国民年金だけでは、40年間きちんと払い続けても、月に65000円程度しかもらえませんから。
もしもずっと夫の扶養に入っていた主婦の方が年金を受給する年齢になったら、MAXで月にこの65000円が受け取れることになります。
一方、厚生年金に加入しているとどうなるか。先ほどの派遣社員の方で計算してみましょう。条件は以下の通りでした。
標準報酬月額 24万円、厚生年金保険料 月21960円(≒22000円)
彼女が35歳から50歳まで(15年間)厚生年金に加入したとすると、老後にもらえる年金はいくら増えるでしょうか。年金の受給額シミュレーションは複雑なので、本記事では計算式等は省略しますが、概ね年に24万円もらえることになります。つまり、月の年金額が2万円ほど増えるのです。
- 支払保険料の総額:396万円
- 受け取れる年金総額:10年間で240万円
20年間で480万円(上限なし) - 保険期間:上限なし
現時点で厚生年金の受給開始年齢は65歳ですから、支払った保険料の元を取るためには、82歳以上まで長生きする必要があります。これを長いと取るかどうかですが、民間の多くの個人年金保険と違って、公的年金の場合、受給できる期間に上限がないのが最大の特徴です。
亡くなるリスクに対しては安い掛け捨ての生命保険で備えることができますから、長生きリスクに対して備える保険としては、厚生年金はかなり頼もしいと個人的に思います。
老後にちょっぴり余裕が持てるって、嬉しくないですか?
2. 産休・育休と関連手当がもらえる!
これは、これから子供を産む方限定で、かつ厚生年金というより社会保険に加入すると得られるメリットになりますが、当てはまる人にとってはとても大きなメリットです。
あまり取得率は高くありませんが、パートや派遣社員にも、ちゃんと産休育休を取る権利はあるんです!そして、産休育休で休んでいる期間には、産休手当金や育児休業給付金といった、収入面での保障も受けられます。
自分が働けない間、収入が全くのゼロになってしまうのは、やはり生活上不安ですよね。そんな時、お給料の2/3や1/2でも支給してもらえるのですから、共働き主婦にとってはとてもありがたい制度です。
ただし絶対に勘違いして欲しくないのは、産休育休制度は「産んだ後も働き続ける意志のある人」のためのものです。
産休関連の手当は会社の健康保険組合から、育休関連の手当はお住まいの市区町村から、それぞれ払われ、その財源はあなたが休む間も働き続けている同僚達が払う、健康保険料や税金なのです。手当て欲しさに、産後は辞めるつもりなのに職場に嘘をついて、産休育休を申請するのは、いち社会人として失格の行為ですからやめましょう。
3. 夫に愛想が尽きても「いつでも離婚できる」と心の余裕が持てる!
3つ目のメリットは物理的ではなく精神的なメリットです。しかし、主婦としてはある意味もっとも大きなメリットではないかと思っています。
今は結婚生活が順調な人も、老後まで数十年もあれば、誰しも一度は夫に不満を抱くでしょう。
もし夫が浮気や不倫をしていたら?ギャンブルでしこたま借金をこさえて、反省もしなかったら?
できればもう一緒にいたくない!と思ったところで、夫に経済的に依存していたら、おいそれと別れることは叶わないでしょう。そうして老後を迎えても、愛想の尽きた相手と2人で暮らし続けなければならない。これは本当に苦痛です。
何故、見たようなことを言うのかというと、みのりたの実母が正にその状況だからです。
みのりたの実家は、父がまぁろくでなしでして、母は主に経済的に、大きな苦労を強いられてきました。私自身、父には完全に愛想が尽きていたので、何度も離婚を勧めるも行動を起こさず、結局ずるずると今日まで時間が過ぎてしまいました。
で、今ではもう会う度に、父への愚痴三昧です。毎回同じ内容で、聞いている方もいい加減うんざりするほど、不満だらけの毎日を送っています。
ただ現実的に、ずっと夫の扶養にいたような主婦が、熟年離婚して独りで生きていくことは非常に難しいです(老体に鞭打って必死で働き続けるか、養ってくれる相手が見つかれば別ですが)。人生の最後まで、心底嫌いな相手にストレスを受けながら一緒に暮らしていくしかありません。
私はそんな母を見て、「離婚したいと思った時にできる経済力は本当に大事なんだ」とつくづく実感したものです。
厚生年金保険料を納め続けていれば、老後が安泰という訳ではありません。しかし、例えば月2万円でも老齢基礎年金にプラスすることができれば、年金収入は月8万円にはなると思います。そこへ更に、夫の厚生年金からの年金分割を受ければ、恐らく月10万強の収入は得られます。
後は月5万円分程度のパートでもすれば、老人1人暮らしていくことは十分できると思いませんか?
私は離婚を推奨する気はさらさらありませんが、「別れたいのに別れられない」というストレスに苦しむくらいならいっそ、「別れたければ別れられる」状況を作ってしまえば、心が軽くなると思うのです。その精神安定剤として、厚生年金というのは結構効果的ですよ。
まとめ
もっと働こうかどうか迷っている派遣社員やパート主婦の皆さんに、厚生年金(社会保険)に加入するメリットを3つお伝えしました。
個人的には、特に経済的に自立することによる「心の安定」というメリットは、夫への不満を感じている人にとって絶大なものだと思っています。
手取りを減らしてまで加入するのはちょっと…と思われる方も多いと思いますが、厚生年金の保険料を支払うことには、きちんとした意味がある。それはしっかり認識しておいて欲しいと思います。
ご自分の今の家計簿を眺めてみて、もし老後資金に備えて入っている保険などがあれば、それを支払い続けるのと厚生年金をもらうこと、どちらが本当にお得になるのか、是非計算してみましょう。