みのりたです。
資産運用には興味ありありで、株やら債券やら投資信託やら、色んな種類の投資方法について学んできた私ですが、今までなるべく触れないようにしてきたジャンルがあります。それが外貨を使った金融商品です。
ひと頃はFX投資が非常に盛んで、億万長者が輩出されたり景気の良い話も聞きましたが、それでも「うーん」と静観していました。
何と言っても外貨が絡むと、為替という大きなリスクが伴います。しかもこれ、株価の変動なんかよりよっぽど予測が難しいと思っているので、どちらかと言うとギャンブル性の高い「投機」であって、「投資」にはなかなか向かないんじゃないかと思っていたんですね。
しかし最近は、食わず嫌いも良くないんじゃないかと考えを改め、ボチボチ勉強していこうかと思うようになりました。
そこで今回は、まず外貨預金に焦点を当て、みのりた同様初心者の方向けにどんなものなのか、リスクや金利はどうなっているのか、FXとの違いはなど、基本的な事を解説したいと思います。
外貨預金とは
みのりたは外貨預金と言うと、外貨定期預金のイメージが強かったのですが、普通預金や積立預金など、預け方も多様化してきているようです。
日本円での預金と異なる点
1. 時期によって預金残高(円相当)が大きく変わる
我々日本人が日本で生活する分には、円以外の通貨を使うことはほぼないでしょう。まずは円を預けたい外貨に変換しなければなりません。この時、外貨の1単位が日本円の何円に相当するのか、というレート(=為替レート)が各通貨によって決まっているのですが、そのレートは日々刻々と変化しています。
ですから、円での預金と異なる点1つ目は、同じように100万円を外貨預金で預けても、時期によって価値が大きく変わる点です。変動の大きな通貨で預けると、1ヶ月後には数十パーセントも増えていたり/減っていたりすることもあります(=為替リスク)。事実上、利息なんてほぼ意味がないと考えた方が良いです。
2. 為替コストを考慮しなければならない
預ける時点でのレートに従って円→外貨へと交換がされますが、その際必ず金融機関に手数料を取られます(=為替コスト)。「あなたの代わりに外貨と交換してあげるので、対価として手数料を下さい」という訳です。もちろん逆のパターン、つまり外貨→円へと交換する際も同様です。
円での預金と異なる点2つ目は、この為替コストを考慮しなければならない点です。利息計算などする際、きちんと為替コストを入れておかないと、思いのほか利益が減ってしまうこともあります。円で預金する場合より複雑なんですね。
ちなみにこの為替コスト、メガバンクなどでは1ドル毎に1円程度(ネットバンキングなら25銭など低くなります)かかりますが、ネット銀行ではもう少しお得な所が多く、例えばソニー銀行なら15銭以下(優待プログラム Club Sのステージにより4銭まで下がる)で済みます。
3. 預金保険制度の対象外
円預金であれば、預けている金融機関が破綻した場合、1000万円までの元本と破綻日までの利息は預金が保証されます。「ペイオフ」と言うと、聞いたことのある方も多いでしょう。
しかし、外貨預金はこの預金保険制度の対象外となっています。例えいくら預けていても、銀行が潰れてしまったら1銭も保証してもらえません。実際に銀行、特に大手が潰れる可能性は正直小さいと思いますが、いざという時が不安になってしまいますね。
金利
一般的に、円の預金と比べると外貨預金は金利が高いです。例えば、先のソニー銀行で言うと、両者の違いは以下の通りです。この低金利時代にあって、1%を超える金利は魅力的ですよね。「じゃあやってみようかな」と思われる方もいるのではないでしょうか。
円預金 | 外貨預金 | ||
普通預金 | 0.001% | 0.50% | |
定期預金 | 1ヶ月 | 0.01% | 3.00% 初回満期後は 1.40% |
6ヶ月 | 0.15% | 1.85% | |
1年 | 0.15% 初回満期後は 0.02% | 2.00% |
為替レートの変動幅はもちろん通貨にもよりますが、最もメジャーな米ドルでさえ、この10年内に1日で98円→90円と8%以上も変動したことがあります(2008年10月24日)。もしこの時100万円を預けていたら、一夜にして預金残高が92万円程度まで下がったことになります(為替コストを除く)。金利があまり意味を成さないことがご理解いただけると思います。
FXとの違い
外貨で取引をする投資方法と言えば、有名なのがFX(Foreign Exchange)です。直訳すると外貨の交換という意味ですが、その名の通り「2つの通貨を交換する」取引を行うもので、両者の主な違いは以下の通りです。
外貨預金 | FX | |
取引できる通貨 | メジャーな外貨 | 様々な外貨 |
取引する場所 | 銀行 | 証券会社 専用業者等 |
資産を増やす方法 | 為替差益 利息 | 為替差益 スワップ |
取引できる外貨 | 円→外貨※ | 円⇔外貨 外貨⇔外貨 |
為替手数料 | 数銭~1円程度※2 | 0.3銭程度 |
万が一の場合 | 預金保険の対象外 保証がない | 信託保全により 資産は守られる |
※1 一部金融機関では、外貨間取引も可能です
※2 金融機関や取引方法(窓口 or インターネット)によって異なります
今はネット銀行を中心に、外貨預金も割と柔軟な取引が可能になって来ていますが、やはり大きく異なるのは為替手数料(為替コスト)でしょう。外貨の取引による投資全体がFXだったら、外貨預金は銀行が間に入り、その中の一部を切り取って販売しているようなイメージです。
FXと比較しての外貨預金のメリット/デメリット
外貨預金のメリット
いつも使っている銀行でそのまま取引ができる
FXの場合、当然ながら専用の口座開設がひつようになります。しかも取引業者は色々あるので、どこを選んだらよいか…など一から調べるのはなかなか大変です。
その点外貨預金なら、外貨預金用の口座は開設する必要がありますが、いつも使っている銀行でそのまま取引ができるので、心理的なハードルは大分下がると思います。為替差益による嬉しさ(または為替差損による損の大きさ)がどの位か体験してみたい、という方は、まず外貨預金から始めるのもアリだと思います。
海外で自由に使える
外貨預金のもう一つのメリットが、自分が行きたい国の通貨で預金をしておけば、いつかその国に行った時、現地でそのまま使えるという点です。
日本から海外旅行などする際、現金を持っていこうとすると、結局えらい高い手数料を取られますよね。ですが、その通貨で予め外貨預金をしていれば、現地でそのまま下ろして使うことができますので、無駄な手数料がかかりません。
特に米ドルはアメリカ以外でもそのまま使える国がありますし、ユーロならユーロ圏で共通に使用できるので、便利そうです。特定の国によく行かれる方は、こちらのメリットも享受できる可能性があります。
デメリット
手数料が高い
先ほども触れましたが、どうしても銀行のマージンが必要になるため、為替コストが高くなってしまいます。取引を頻繁にしないという場合でも、この低金利時代にあっては、円定期預金の金利分位は軽く吹っ飛んでしまうお金がかかりますので、資産を増やすという目的が達成できない場合もあります。
その点、手数料が低いFXはどうしても有利になります。全く同じ取引をしても、外貨預金で取引をする人が数千円も手数料を払っている一方で、FXで取引をする人はジュース代程度で済んでいる…これが何年も積もり積もったら大きな差になりますね。
リスクの割には利息が低い
外貨預金の金利表にあったような金利2%は年利ですから、例え為替レートが全く変わらなかったとしても、100万円を預けて1ヶ月で増える資産は1700円程度です(税引き前)。
しかしFXの場合、スワップ金利と言って2つの通貨の間に金利差がある場合、それを差し引いた分の利息みたいなものが、毎日受け取れることになります。場合によっては逆に支払わなければならないこともありますが、それこそ1日で先の1700円程度は簡単に受け取れてしまうので、
預金が全く保証されない
堅実派の人にとっては、これが最も不安になる要素ではないでしょうか。同じ銀行で取引していても、ただ通貨が違うだけで、途端に預金保険の対象外となってしまうのです。
FXなんてもっと怪しいんじゃ…とみのりたは思っていたのですが、確かにFXが出てきた当時は、エフエックス札幌という業者の事例のように、投資家の資産が守られない事例もあったようです。
ただし今は「信託保全」という仕組みによって、例えFXの取引業者が潰れても投資家の資産は守られるようになっていますので、実は外貨預金よりFXを使った方が安全だったという、予想とは真逆の状態でした。
まとめ
外貨を使った金融商品の基本的な形である「外貨預金」について、その特徴やリスク、FXとの違いなどについて解説しました。
為替変動による為替差益という大きな利益を得られる可能性がある一方、逆に為替差損で同じだけ大きく損をする可能性もある外貨預金。金利が事実上意味を成さない点、預金保証が受けられない点など、円預金と比べると様々なリスクがあることがお分かり頂けたかと思います。
またFXと比べると、その手数料の高さが目立つ一方、怪しいと思っていたFXの方が、自分の資産はきちんと守られる仕組みになっていたことは驚きました。
どちらにせよリスクはそれなりにありますが、円の金利がほぼゼロに近い今、積極的に資産を増やそうと思うと、投資の選択肢として「外貨」を入れていくことが必要なのかも知れません。みのりたもこれからもっときちんと理解していきたいと思います。
外貨預金に興味がある方は、ソニー銀行のセット定期で、ちょっと様子見してみるのも手かも?
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