みのりたです。
外貨預金を始めたばかり、またはこれから始めようかと考えている方の中には、実際金利ってどう計算されていつ頃入金されるもの?と気になっている方もいるのではないでしょうか?
みのりた個人は、外貨による資産運用方法を調べていて、結局外貨預金よりFXの方がメリットが大きいんだなと感じている所ですが、それでも為替差益で儲けるという点において、外貨預金はそれなりに魅力もありますよね。
そこで今回は、外貨預金の金利計算方法を、シミュレーションでご紹介したいと思います。また、後半ではいつどんなタイミングで利息が受け取れるのか、についてもお伝えしますので、これを機に外貨預金の金利に詳しくなっちゃいましょう!
目次
外貨預金の金利情報
外貨建て預金は、為替リスクや為替手数料といった大きなリスクを負っている分、円建て預金よりも金利が優遇されています。主な銀行の金利は以下の通りとなっています(2018年7月現在)。
なお、同じ銀行でも、預ける外貨の種類によって金利は更に異なります。例えばソニー銀行の金利を例にとると、同じ1ヶ月もの定期預金でも、米ドルだと3%、豪ドルだと7%、更に南アフリカランドだと20%といった具合です。よりマイナーな外貨、その外貨を使う国の情勢が安定しない外貨ほど、為替変動の幅が大きくなる傾向があり、その分金利も高くなります。
金利が3%ともなれば、100万円を預けて1年後には3万円増える訳ですから、大いに魅力がありそうですよね。しかし、こちらの記事でもご紹介した通り、外貨預金において事実上金利はほぼ意味を成しません。金利に釣られて外貨預金を始めることのないよう、予めこの手の預金の内容はきちんと把握しておきましょう。
関連記事:外貨預金はメリットない?リスクやなぜ金利が高いのか初心者向けに解説!
外貨預金の金利計算シミュレーション
金利計算と言っても、基本的な考え方は円建ての定期預金と同じです。これから以下の場合をシミュレーションしながら、金利受け取りまでの流れをご説明します。
- 100万円を外貨預金に預ける
- 預け入れる外貨は米ドル
- 預入れ時のレートは1米ドル=112円
- 預入期間は1ヶ月
- 金利は年利10%(税引き前)
- 為替コストは10銭/1ドル
1. 円預金を外貨預金に換える
預入れ時は当然円ですから、まずはそれを米ドルに両替します。100万円を1米ドル112円で替えると、8928米ドル(ここでは小数点以下を切り捨てます)になります。
ここでまずは1つ目のコスト、為替コスト(為替手数料)が発生します。今回のシミュレーションでは10銭/1米ドルですから、8928米ドルを替えるためには892円がかかります。つまり、預入時点で既に892円のマイナスを背負っていることになります。
大したことのない金額に見えますが、今回は預入期間1ヶ月を想定していますから、円預金の金利として考えると年利1%に相当します。
2. 定期預金として運用する
今回のシミュレーションでは預入れ期間が1ヶ月間です。最初に挙げた金利10%は年利ですから、1ヶ月ではその12分の1、0.83%の金額が利息として受け取れます。8928米ドルの0.83%は74米ドルですね。
ここで2つ目のコスト、利息にかかる税金が発生します。外貨預金も円預金同様、20.315%の税金が課されますので、先ほどの74米ドルから税金分15米ドルを差し引いて、74-15=59米ドルが実際に受け取れる利息になります。
外貨預金の利息は源泉徴収される?為替差益/為替差損と税金の関係も!
つまり、1か月後の預金残高は8928+59=8987米ドルに増えていることになります。この外貨預金を外貨のまま持っておく/使うなら、シミュレーションはここで終わりです。1ヶ月で60米ドル近くも増えれば、結構ラッキーですよね。
3. 外貨預金を円預金に換える
しかしそうは問屋が卸さないのが一般的でしょう。外貨預金をする人の主な目的は、為替差益や利息によって増えたお金を円で使うことでしょうから、増えた米ドルを再び円に両替する必要があります。
ここで3つ目のコスト、再び為替コストがかかります。先ほど同様、10銭/1米ドルですから、8987米ドルを替えるためには898円差し引かれることになりますね。
更に今度は、預入時の為替レート112円は意味を成さず、満期時(両替時)の為替レートで計算されることになります。さて、為替レートが変動すると果たして預金はどうなるんでしょうか?
為替レートが変動しなかった場合
最も計算しやすいパターンから考えていきましょう。1か月前と同じく1米ドル=112円だったとすると、8987×112=1006544円となり、6544円増えていることになります。
…いえいえ、最初の円→米ドルコストと最後の米ドル→円コストを清算しないといけませんから、増えるのは6544-(892+898)=4754円ですね。何だか、思ったより利益が目減りしている気がします。
為替レートが円安になった場合(為替差益が生まれる場合)
次に「ラッキー!」なパターンを考えてみます。1ヶ月前よりも円安になった場合、1円変動する毎に預金はこれだけ変化します。
1円円安になった場合(1米ドル=113円):8987×113-(892+898)=1013741円 一気に9000円ほど資産が増えましたね。
2円円安になった場合(1米ドル=114円):8987×114-(892+898)=1022728円 更に9000円ほど資産が増えました。
以降、3円、4円と1円変動するたびに約9000円が増えていくことになります。1ヶ月だと、そこまで何円もレートが降れることは多くないと思いますが、6ヶ月や1年といった(外貨預金の中では)比較的長期で運用する場合、この変動確率も変動幅も大きくなる可能性が高くなります。
円預金でこれだけの金額を短期間で増やすのはまず不可能ですから、うまく円安の風に乗れれば、外貨預金はかなりお得な預金方法になることがお分かり頂けると思います。
為替レートが円高になった場合(為替差損が生まれる場合)
円安になることがあれば、当然円高になることもあります。先ほどの円安パターンでは、1円変動する毎に9000円資産が増えていましたが、逆に1円円高が進むと9000円資産が減っていくことになります。ということは…
1円円高になった場合(1米ドル=111円):8987×111-(892+898)=995767円 1円上がっただけで、既に元本割れです。
2円円高になった場合(1米ドル=110円):8987×110-(892+898)=986780円 100万円預けたはずなのに、15000円誰かに使われたのかな?
年利10%相当の利息が付いても、1円円高になるだけでそれが簡単にすっ飛んでいます。少しでも円高になった瞬間に、外貨預金は損しかしないことが、よくお分かり頂けるのではないでしょうか。
という具合に、とりあえずざっくり計算しましたが、外貨預金の金利計算はあくまで外貨ベースで行うこと、所得税や住民税の源泉徴収があること、そして両替時の手数料を差し引くこと。以上3点を忘れなければ、ご自身で割と簡単に計算が可能です。
また、中には外貨預金のシミュレーターをサイト上で公開している金融機関もありますので、上記の内容を踏まえた上で、実際の計算はシミュレーターで行うのもアリだと思います。是非一度トライしてみて下さい。
金利が受け取れるタイミング
外貨預金の普通預金では、いつ金利が振り込まれるんでしょう?調べてみると、銀行によってかなり差があることが分かりました。
主だった銀行の利払いタイミングを以下にまとめます。半年毎、特に2月と8月に利息がまとめて入金されるという所が、1番多いようです。
毎月利払い
毎月所定日に口座へ入金されるタイプです。
金融機関例:住信SBIネット銀行、新生銀行
四半期払い
四半期(2月、5月、8月、11月)毎の所定日に口座へ入金されるタイプです。
金融機関例:楽天銀行
半年利払い
年に2回、半年毎の所定日に口座へ入金されるタイプです。
金融機関例:
2月、8月 イオン銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行
1月、7月 じぶん銀行
まとめ
外貨預金の「金利」に注目し、記事前半では外貨定期預金を例に具体的な金利計算方法について、また記事後半では外貨普通預金でいつ金利を受け取れるかのタイミングについて、それぞれ解説しました。
外貨預金でも基本的には円預金と同じように(外貨で、ですが)金利が計算されます。しかし円同様税金が天引きされるだけでなく、円⇔外貨の往復2回分の為替手数料がかかってくるため、思った以上に受け取れる利息は小さいこと、1円でも円高になれば大抵の金利は軽く吹っ飛ぶということが、お分かり頂けたかと思います。
また、外貨普通預金の金利については、金融機関毎に振込タイミングが異なり、毎月利息が受け取れる銀行もあれば、半年に一度しか受け取れない銀行もあります。この辺りは円預金以上に金融機関毎の特色が現れていますので、ご自身が口座をお持ちの銀行がどのパターンに当てはまるのか、一度確認されることをおすすめします。
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