みのりたです。
昨年住宅ローンを借りて家を購入した!という方が忘れてはならないのが、住宅ローン控除の手続きです。条件さえ満たせばこの先10年間、最大でローン残高の1%が戻って来る貴重な機会ですので、確実に申請しておきたいですよね。
ただこの制度、どんな事情があろうとも初年度は自分で確定申告を行わなければ一切恩恵を受けることができません。
みのりたのようにワーキングマザーで産休・育休を取られた方は医療費控除の申請で経験済みかも知れませんが、確定申告なんて初めて!という方も中にはいらっしゃるでしょう。
今回はそんな確定申告初心者の方向けに、ネット上で必要な書類が作成できる国税庁の電子申告・納税システム「e-Tax」の使い方をご紹介します。画像付きで一つ一つ説明していきますよ!
目次
国税電子申告・納税システムetaxとは
etax(e-Tax)とは、インターネット上で確定申告に必要な書類が作成できたり、そのまま申告までできたりする便利なシステムです。
毎年確定申告の時期になると、税務署の窓口には長い行列ができますが、そんな行列に並ばなくても簡単に書類提出までできてしまうんですね。
ただ、ネット上で申告まで完了させるには、PC等に接続して使うICカードリーダライタが必要となります。こんな感じの物ですね↓↓↓
自営業者や副業などで毎年確定申告が必要な方はともかく、医療費控除と住宅ローン控除位しか確定申告に用のない会社員なら、特に購入の必要はないと思います。初心者だと、揃えた書類を念のため税務署の方に確認してもらった方が良いことも多いですから(みのりた自身もまだ持っていません)。
本記事では、まずは住宅ローン控除のために確定申告をしたい方が、電子申告までせず書類を作るだけをというパターンを例に解説していきます。誰でも簡単にできますから、是非一緒に挑戦してみましょう!
e-Taxで確定申告書類を作るために必要なもの
まずは確定申告に必要な書類を準備しましょう。ここでは給与収入や年金収入を基本とする会社員・年金生活者の方を例にご紹介します。
所得に関する書類
- 給与所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 保険会社から送付される個人年金の支払調書、年金支払証明書 など
所得控除に関する書類
本記事は住宅ローン控除の確定申告をしたい方を対象としていますが、他にも医療費控除や保険料控除、ふるさと納税の寄附金控除を受けたい時にはそれぞれの書類が必要となります。
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
- 住宅の登記事項証明書など
- 住宅の売買契約書など
- 医療費の領収書や勤務先から送られてくる医療費明細のハガキ
- 生命保険料控除証明書
- 寄附した団体などから交付を受けた寄附金の受領証 など
その他関係書類
マイナンバーがわかる書類(通知カードなど)
e-Taxでの確定申告書類の作り方
それでは具体的に書類を作成していきましょう。
1. e-Taxで申告する税金の種類を選択する
まずはetaxのサイトへ飛びます。
トップページ右側の「作成開始」をクリックします。
今回は、新規で作成するパターンを紹介しますので、「申告書類を作成する」の項目の内、「作成開始」をクリックします。
先ほど書きましたが、本記事では書類の作成のみ説明しますので、右側の「印刷して書面提出する」を選択します。
PCの推奨環境などが表示されますので、ご自身の環境を確認した上で、画面を下へスクロールして1番右下の「利用規約に同意して次へ」をクリックします。
さあここからが具体的な申告書作成になります。今回は住宅ローン控除の申請をしたいので、1番左側の「所得税」を選択します。
給与・年金以外に特に収入の無い方は、1番左側の青いボタンをクリックしてください。
これでようやく、申告の入り口に立ちました。まだしばらくは色々と前提条件を選択していくことになります。
2. 受ける控除を選択する
改めて準備する書類について説明があるので、確認したら「次へ」を選択します。
ご自身の生年月日を入力して、更に「次へ」をクリックします。
改めて、所得の種類を選択して「次へ」をクリックします。本記事では現役の会社員であるという前提で「給与のみ」を選択します。
給与を受け取っている勤務先の数と年末調整の状況について選択し、「次へ」をクリックします。大部分の方が勤務先は1か所のみ、年末調整は「済み」であると思います。
適用を受ける控除をここで選択します。チェック欄に☑を入れて「次へ」をクリックします。本記事ではわかり易くするために住宅ローン控除((特定増改築等)住宅借入金等特別控除のみを受けるものとして選択します。
さあ、次からはようやく数値を入力していきますよ!
3. 給与所得に関する内容を入力する
昨年の給与所得について、源泉徴収票を見ながらご自身の値を入力していきます。入力する値は以下の3つ。源泉徴収票のどこを見たら良いかについては、e-Taxの画面上に表示されるので、迷うことはないと思います。
- 支払金額
- 所得控除の額の合計額
- 源泉徴収税額
次に住宅借入金等特別控除(=住宅ローン控除)について記載する項目が出てきますが、初めて住宅ローン控除を申告する方はここを入力する必要はありません(空欄になっているはずです)。他の項目も該当がなければ、そのまま「次へ」をクリックします。
源泉徴収を発行した勤務先の情報を入力すると、ここまでの入力内容を確認する欄が出て来るので、間違いなければ次へ進みましょう。
もし16歳未満のお子さんを扶養していらっしゃる場合は、お子さん情報(氏名、続柄、生年月日、別居している場合は住所)を入力する必要があります。16歳未満の親族を扶養していても所得税は控除されませんが、住民税の計算上必要になるので、忘れず入力しましょう。
またも入力内容の確認が出てきますので、「給与所得控除後の金額」が源泉徴収票を合っていることを確認してから「次へ」をクリックします。
なお、ここで入力内容を途中保存するボタンも出てきます。この先もまだ長いので、一度保存しておきましょう。
4. 税額控除等の申告内容を入力する
ようやく住宅ローン控除の申告までやってきました。ここまでくればあと半分くらいです!
ここからは、先ほど選択した「申請したい控除」の内容を全て入力していきます。今回は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」 のみの申請という前提ですので、該当する部分のみ入力が可能となっています。次へ進む前に、必ず「入力する」をクリックしましょう。
取得形態等(新築か中古か、リフォームしたか等)の入力欄に移りますので、ご自身の状況に当てはまるものを選択し、入居年月を入力して「次へ」をクリックします。
いくつかあなたが取得した住宅に関する質問が出てきますので、「はい」か「いいえ」をクリックしていき、終わったら画面最下部の「次へ」をクリックします。どれもそう迷う質問ではありませんので、サクサク進みましょう。
※画面は我が家の場合の選択例です。
入力に必要な書類の確認と適用条件の確認が出てきます。書類が揃っているか、また念のためご自身の状況が本当に住宅ローン控除を受けることができるのか再度確認したら、次へ進みます。
なお、こちらで国税庁のHPから住宅ローン控除を受けるための適用条件について抜粋しておきます。
- 取得後、6か月以内に入居し、平成30年12月31日まで引き続き住んでいる。
- 入居年かその前後2年以内の間に居住用財産の譲渡所得の課税の特例などの特例を受けていない。
- 平成30年分の合計所得金額が3,000万円以下である。
- 金融機関等から平成30年12月31日現在の残高が記載された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の交付を受けている。
- 取得した住宅の床面積が、50㎡以上である。取得した住宅の床面積の2分の1以上を自己の居住用としている。
- 住宅を2以上所有する場合には、主として居住の用に供する住宅である。購入時において自己と生計を一にし、購入後においても引き続き自己と生計を一にしている親族等から購入したものでない。
- 贈与により取得したものでない。建築後使用されたことのある住宅である。
- 給与所得者の場合、使用者又は事業主団体から、使用人である地位に基づいて住宅又は土地を時価の2分の1未満の価額で譲り受けていない。
次に、取得した住宅・土地の金額や面積に関する情報を入力します。ここからは売買契約書や登記事項証明書が必要になりますので、ご用意ください。
住宅に関する事項の入力
①取得対価の額
これは不動産売買契約書に記載された額を入力します。
なお我が家のようにマンションを購入された場合、特に住宅のみの金額というのは記載されていないと思います。そういう方は住宅と土地をひっくるめた合計金額をこちらに入力し、この後出て来る「土地の対価の額」を入力する欄は空欄にすればOKです。
②消費税に関する質問
住宅購入時に消費税がかかった方は「はい」を、中古住宅購入等で特にかかっていない場合は「いいえ」を、それぞれ選択します。我が家の例で言うと消費税の欄に線が引かれていますので、消費税はかかっていないということですね。
③専有面積の床面積
これは登記事項証明書を見て記載します。「表題部(専有部分の建物の表示)」という欄に書かれています(赤く囲った部分)。もしくは、売買契約書中に記載されている場合もあります。
土地に関する事項の入力
④取得対価の額
こちらは売買契約書の中から土地の取得にかかった金額を入力します。一軒家で土地と住宅の金額が別個に記載されている方は必須ですが、マンションの方は先ほど書いたように空欄でもOKです。
⑤一棟の土地の面積
これは登記事項証明書の「表題部(敷地権の目的である土地の表示)」という欄に書かれた④地積 m2の数字を入力します。ちなみに見慣れない書き方ですが、点線が小数点を表していますので、間違えないように注意して下さい。
例:10000 点線 24 だったら、10000.24m2を意味します
⑥一棟の住宅の総床面積
これは登記事項証明書の「表題部(一棟の建物の表示)」欄②床面積 m2の数字を記入します。
注意したいのはマンションを購入された方の場合で、マンション全体の床面積を計算する必要があります。つまりみのりた家の事例ですと、1~13階の床面積を全て足し算すればOKです(先ほどの地積と同じく、点線が小数点を表しています)。
年末残高の入力
次に融資を受けた金融機関から受け取った年末残高証明書を見ながら、年末残高を入力します。
年末残高証明書を入力するボタンを押して、以下の画面に従って必要事項を入力してください。これまた具体的にどこを見ればよいのか親切に表示してくれているので、迷わずに済みますね。
入力内容の確認
入力した内容に従って、控除される金額=のちに戻ってくる金額が自動的に算出されます。
なお我が家のように中古マンションを個人の方から購入した場合、「特定取得」の要件から外れてしまうので、控除の上限額が20万円となってしまいます。新築なら大概上限40万円であることを考えると、中古派はちょっと損をすることになりますね。
「特定取得」関連記事はこちらも参考にどうぞ↓↓↓
【住宅ローン控除】特定取得とは?中古住宅や個人間売買で相当するケースはこれ!
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ご自身が入力した内容を再度確認し、間違いがなければ、画面最下部の「次へ」をクリックします。これで住宅ローン控除に関する入力は終了です。お疲れ様でした。
税額控除等の入力画面に戻りますので、「次へ」をクリックし、還付される税金の金額をチェックしましょう。これから10年間、(年々減りますが)これだけの金額が戻って来ると思うとワクワクしますよね!
5. その他の必要事項を入力する
確定申告の書類作成で一番しんどい部分は終わりましたので、あと一息です!
住民税等に関する事項入力の欄に、ご自身の状況を回答して「次へ」をクリックします。
次に、還付金の受取り方法と口座振込みの場合の振込先口座を入力します。ご自身の希望する方法を選択して次へお進みください。
ご自身の氏名・連絡先・住所など入力して更に次へ進み、最後にマイナンバーを入力したら、申告書類の作成は完了です(特に迷う所も無いので画面は割愛します)。お疲れ様でした!
6. 書類の送信・印刷
本記事ではe-Tax上で送信する方法ではなく、印刷して紙を税務署に持ち込むという前提でしたので、以後印刷をする前提で話を進めます。
「印刷にあたっての留意事項」を確認し印刷する書類を選択したら(迷う場合は全て印刷しましょう)、「帳票表示・印刷」ボタンをクリックして書類を出力してから次へ進みましょう。
実際の申告にあたっては、この印刷書類だけでは完成しません。捺印が必要な部分や申告日を手書きで入れる場合は一部手書き入力が必要な部分もありますし、以下の添付書類も必要となります。
- 本人確認書類
- 給与所得の源泉徴収票(原本)
※原本を渡したら手元には何も残らなくなるので、なるべく事前にコピーを取っておきましょう - 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本)
※こちらも手元には何も残らなくなります。実質困ることはありませんが、不安な方はコピーを取っておくことをおすすめします - 住宅(不動産)売買契約書
- 住宅の登記事項証明書(原本)
- 借入金等が他の者から承継した債務である場合(中古住宅を個人間で売買し、その売主から債務を承継した場合など)は、その承継に関する契約書の写し
かなり長い記事となってしまいましたが、あとは税務署へ直接行って、不安な所は担当者の方に確認したりしながら、全ての書類を提出するだけです。ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。確定申告、頑張ってください!
まとめ
確定申告の書類が初心者でも作成しやすい国税庁の電子申告システム「e-Tax」の使い方をご紹介しました。
特に難しい操作は無いので作り方自体は簡単ですが、実際の手続きにあたっては、各自の住宅ローンの組み方などで「これはどう判断したら良いんだろう?」と迷われることもあると思います。
本記事ではその辺網羅することができませんので、困ったことがあったら、作った申告書類と必要な添付書類を揃えて税務署へ直接相談してみてください。割と丁寧に教えてくれます。
2018年分の確定申告期間は2月16日㈯ ~ 3月15日㈮となっています。まだ申告終わっていない!という方も焦らずに、まずはPCを開いてみてください。
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