住宅ローン繰り上げ返済をエクセルで計算!VS減税で最大に得する方法

みのりたです。

住宅ローンの繰り上げ返済を検討されている方の中には、住宅ローン減税(控除)を受けている方もいらっしゃるでしょう。私自身も3年前に住宅を購入したので、毎年年末調整の度にガッツリ還元してもらっています。

そうなると、気になりませんか?今繰り上げ返済してしまうと、減税(控除)の額が減ってしまって、損なのではないか?と。

住宅ローンの繰り上げ返済をシミュレーションできるソフトやサイトは沢山ありますが、一方住宅ローン減税で実際いくら還付されるかは、初年度に確定申告をしてみないと分かりません。(次年度以降は、会社員・公務員の方なら年末調整で自動的に還付されます)

みのりたは住宅ローンを組んだ時、この2つを同時に比較するのが複雑で、1番お得な返し方をパッと計算したかったので、いっそのこと自分で作ってしまいました。

住宅ローンの繰り上げ返済と住宅ローン控除の効果が比較できる、エクセルのシミュレーションシート(2018年版)です。

今回は同じ悩みを抱えていらっしゃる方のために、その使い方をご紹介しますので、よろしければ使ってみて下さい。そして、ご自身にとって1番お得な返済方法で、繰り上げ返済しちゃいましょう!

本エクセルシートでできること

先ほどもお伝えした通り、基本的には住宅ローンの繰り上げ返済シミュレーションができるエクセルの計算シートです。以下の機能があります。

  • 期間短縮型の繰り上げ返済にのみ対応
  • ボーナス払いに対応
  • 住宅ローンとリフォームローンを同時に組んだ場合に対応
  • 住宅ローン減税(控除)の上限控除額を自動計算
  • ローンの支払い利息額と住宅ローン控除による還付金額の差額を自動計算

 

ご準備頂きたい情報

本エクセルシートを使用するにあたり、以下の情報が必要になります。

  • ご自身の情報(年齢、ローン開始日、ボーナス月、購入物件が新築か中古か)
  • 住宅ローンの借り入れ情報(金利、金額、期間)
  • ボーナス払いの有無とその金額
  • 毎年の住宅ローン控除による還付金額(予定含む)(※)
注意
ご自身の毎年の住宅ローン控除でいくら還付されるのかについては、その方の所得税額等によりますので、本シートでは計算できません。悪しからずご了承ください。

使用方法

下のダウンロードボタン(Download)からシートを入手して下さい。

※読者様のご指摘により、「定期」バージョンシートの不具合を一部修正しました。ご指摘くださった方、どうもありがとうございました!

エクセルファイルを開くと、こんなフォーマットが出て来ますので、黄色く塗られた箇所をご自身で入力して頂くだけです。
一応、各項目について簡単にご説明します。

注意
黄色いセル以外は自動的に計算されますので、触らないで下さい。

基本情報

  • 年齢:ローンの支払いが始まった時点の年齢を入力してください
  • 返済開始日:実際に口座から引き落としが始まった(始まる)日を入力してください。以後、毎月同じ日に返済がなされるものとします(曜日は特に考慮していません)
  • 購入物件:新築か中古かを選択してください。これはご自身の物件購入が「特別取得」に当たるかどうかを判断するためのものです。
    新築ならほぼ間違いなく業者からの購入と思われますが、中古だと個人からの購入は特別取得に当たらず、住宅ローン控除の額が変わります。
    中古物件を購入された場合でも、業者から購入した(消費税を支払った)場合は特別取得になりますので、「新築」を選択してください
  • ボーナス月:ボーナス払いを併用している場合に使用します。併用なしなら入力しなくても構いません
  • 購入相手:使用しません

 

住宅ローン&リフォームローン

リフォームローンを同時に組んでいない場合は、住宅ローンの欄のみ入力すればOKです。

  • 年利:借入金利を入力してください。現時点では、途中で金利が変わるローンに対応していませんので、35年間ずっと同じ金利だったら、という仮定で計算します。
    もし途中で金利が変わるローンのシミュレーションを行いたい場合は、後で説明する「返済イメージ」の表を直接いじって下さい
  • 期間:借入期間(30年、35年など)を入力してください
  • 借入金額:ローンを組んだ総額を入力してください
  • B返済額:ボーナス払いをする金額を入力してください。ボーナス払いを併用しない場合は「0」を入力してください

 

繰り上げ返済

本ファイルでは、単発で繰り上げ返済するバージョンと、定期的に繰り上げ返済するバージョン、2つのシミュレーションができます。

単発での回数は現在のところ、3回まで計算できるようになっています。

  • 返済日:繰り上げ返済をする年月日を入力します。「日」は基本情報の欄で入力した日と同じにしてください
  • 返済金額:繰り上げ返済をしたい金額を入力します

単発バージョンシート

 

定期バージョンシート

 

住宅ローン減税(控除)

ご自身の支払っている所得税・住民税の額から実際に見込める控除額と、この先10年間で発生するライフイベントについて記載します。特に女性がローンを組んでいる場合、出産等で収入が減ると、支払う税金が少なくなるので控除額も減る可能性があります。その辺、減少しそうな収入に応じて控除額も少なく入力しておくと、よりシミュレーション精度が上がります。

結果の見方

全て入力すると、白色のセルに計算結果が表示されますので、ご自身の組んだローン内容を確認してください。

MEMO
住宅ローンの毎月の返済額については各金融機関で独自の計算方法があり、同じ金利でも本ファイルの計算結果とは若干返済額が異なる場合があります。その点ご了承ください。

「繰り上げ返済」表

入力した内容で繰り上げ返済を実施した場合に軽減される返済回数と利息の額、更に繰り上げた場合に支払う利息の総額が出ます。当然、支払利息の総額が小さいほうが、繰り上げ返済の効果としては大きいということになります。

これと、先ほど「住宅ローン減税(控除)」表で入力した内容から計算した控除額の総額を比較し、その差額を求めたのが、緑色のセル「控除MAXとの差」と「想定控除との差」です。

この差額がプラスであれば、支払う利息額よりも控除で還元される額の方が大きい、つまり実質的に利息ゼロで住宅ローンを借り、更にお小遣いまでもらえてしまうことを示します。一番お得な、できれば目指したい状況ですね。

逆にこの差額がマイナスということは、支払う利息額の方が還元額よりも大きいですから、なるべく小さい値の方が良い(負担が少ない)ということになります。

なお控除MAXとの差は、あなたが組んだローンで最大限控除を適用すればこれだけ還元されますよ、という額で、想定控除との差は、恐らく実際に適用されるであろう還元額です。MAXと想定の額が大きく違うのであれば、せっかくの住宅ローン控除の恩恵があまり受けられていないことを示しますので、これまたなるべく早く繰り上げ返済してしまった方がお得ということになります。

 

返済シミュレーショングラフ

画面を右にスクロールしていくと、入力した内容によって返済額がどう推移していくか、グラフで結果が見られるようになっています。パッと見で返済イメージを掴むための、おまけみたいなものです。

 

「返済イメージ」表

シートの下方に、大きな「返済イメージ」表があります。これは、入力した内容で住宅ローンを返済していった時、毎月の返済がこうなりますよ、という実際の額を示しています。ボーナス払いを利用した場合は、ボーナスの欄にも一定周期で金額が入ります。

また、繰り上げ返済を指定した年月の欄を見ると、入力内容が反映されて残高が一気に減っていることが分かります。もし3回以上繰り上げ返済をしたいという場合には、H,M,S,X列の「繰り上げ返済」欄に返済したい金額を直接入力すれば、結果に反映されます。

なおこの時、金額は必ずマイナスの値で入力してください。プラスで入力すると、借金が増えてしまいます(汗)

まとめ

住宅ローンの繰り上げ返済と住宅ローン減税の効果を比較計算できる、エクセルファイルのご紹介をしました。

住宅ローン減税の控除が終わってすぐにまとめて返すのがお得なのか、はたまた定期的に一刻も早く繰り上げていった方がお得なのか、など、ご自身に合った最もお得な返し方を探すのに役立てると思います。ご活用頂ければ幸いです。

なおシミュレーション結果については、他のソフトやサイトの結果と比較しながら検証していますが、あくまで素人が自作したものですので、計算結果に誤りがあったり抜けている項目がある可能性があります。

もしも本エクセルシートに不備など発見されましたら、みのりたまでその内容をご一報頂けますと幸いです。