【住宅ローン控除】所得(年収)制限とは?退職金をもらった時はどうなるのかも!

みのりたです。

住宅ローンを組む人にとって、住宅ローン控除は向こう10年間、払った税金が何十万と戻ってくる貴重な制度です。なるべくフルに活用したいと思う方も多いでしょう。

しかし、中には住宅ローン控除を使うことができない人もいらっしゃいます。

今回はそんな住宅ローン控除の所得制限(年収制限)についてご紹介します。基本的には庶民には関係ない制限ですが、退職金をもらった時など、例外的に制限に引っ掛かる方もいらっしゃると思います。そういう時はどうなるのか調べてみましたので、気になる方は参考にしてみてください。

住宅ローン控除の所得制限(年収制限)とは

住宅ローン控除は、所定の条件を満たした居住用の住まいを買うためのローンを組めば、どんな方でも受けられるかというと、そうではありません。

実は所得制限がかけられており、その年の合計所得金額が3000万円を超えてしまうと、住宅ローン控除の対象外となってしまうのです。

まぁ、ごく一般的な会社員家庭であれば、そうそうこの制限に引っ掛かることはないと思いますが、高収入を得ている方は一応留意しておく必要があります。

ここで注意したいのは、制限に引っ掛かるのは「所得」であり、「年収」ではないという点です。

所得とは
デジタル大辞泉によれば、以下のように説明されています。

一定期間に、個人・法人が勤労・事業・資産などによって得た収入からそれを得るのに要した経費を控除した残りの純収入。

つまり、個人事業主や法人の方であれば収入から経費を差し引いたもの、会社員などの給与所得者であれば収入金額によってあらかじめ決められた一定額を差し引いた金額が、それぞれ該当します。

例えば給与所得者(会社員など)であれば、所得 = 年収 ー 給与所得控除 という計算式で求めることができ、毎年もらえる源泉徴収票にその金額が記載されますが、この給与所得控除は収入によって以下のように段階的に設定されています。まぁ所得が安定して3000万円を超えるような人は源泉徴収票なんてもらうのか分かりませんし、給与所得控除は上限の220万円一択だと思いますが…

参考:国税庁ホームページ「タックスアンサー(よくある税の質問)給与所得控除」

住宅ローン控除の所得制限 こんな時どうなる①退職金をもらった時

一般庶民が1年に3000万円以上の所得を得るとしたら、最も可能性が高いのが退職金でしょう。それも現在ではそこまで多くもらえるのは一部の大企業や公務員のみでしょうが、ここではまぁその点には触れません。

もし住宅ローン控除を受けている最中に退職することになり、退職金を一時金として受け取った場合、通常の給与所得 + 退職一時金による所得 > 3000万円となってしまうと、その年は住宅ローン控除を受けることができなくなります

これは、国税庁のホームページ「質疑応答事例」でも実際に紹介されており、以下の記載があります。文章の末尾に退職金も載っていますよね。

ここでいう「合計所得金額」とは、総所得金額、上場株式等の配当等に係る利子所得及び配当所得について、申告分離課税の適用を受けることとした場合のこの利子所得及び配当所得の金額(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算の適用がある場合には、その適用後の金額)、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、一般株式等に係る譲渡所得等の金額又は上場株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。

国税庁HP 質疑応答事例「合計所得金額3,000万円の判定」より

ただし住宅ローン控除の所得制限については単年ごとの所得金額で判定されますので、今年は控除が受けられなかったとしても、来年以降は条件を満たせば問題なく控除を受けることができます。

なお、住宅ローン控除を受けられるのは最大で10年間(2019年現在)、年末時点でのローン残高(元本)× 1%が基本となります。今年控除を受けられなかったとしても、控除の対象期間がその分延びる訳ではありませんので、1年分の金額は丸々損してしまうことになりますね。

色々事情があるとは思いますが、退職金をもらう年齢で住宅ローン控除を受けているというのも、老後資金という面で考えるとかなり危ない橋を渡っていると思います。できれば、退職金をもらう前に住宅ローンは完済しておきたいものですね。

住宅ローン控除の所得制限 こんな時どうなる②投資で儲けた時

少し前に流行ったビットコイン等の仮想通貨や、FXといった投資(個人的には投機だと思いますが)で一財産築いたという方もいらっしゃるでしょう。そんな時には住宅ローン控除はどうなってしまうんでしょうか?

これまた先ほどの退職金同様、所得が3000万円を超えるとその年は住宅ローン控除が受けられなくなります

ちなみに、仮想通貨やFXで儲けた場合の所得は「雑所得」に、株式売買で儲けた場合の所得は「譲渡所得」、配当は「配当所得」に分類されますが、雑所得なら雑所得内で、譲渡所得なら譲渡所得内で、損をした場合にその年に得た利益と相殺して実質上の所得を少なくすることができる「損益通算」という制度があります。

例えば、A社の株式売買で100万円を儲けたが、一方でB社の売買では20万円の損が出てしまった場合、その年の儲けは80万円となる…という意味です(実際には手数料とかあるので、あくまで目安です)。もしも損切りをしてしまったという方は、その相殺後の所得金額がベースとなりますので、ご自身でよく計算してみてください。

住宅ローン控除の所得制限 こんな時どうなる③遺産を相続した時

人によっては親から現金などで遺産を相続して、その年の所得が3000万円を超えそう…!という方もいらっしゃるでしょう。相続した財産も「収入」と見なされるのであれば、確定申告が必要なんじゃない!?と思われるかもしれませんが、結論から言うと遺産相続時の確定申告は不要です。

なぜなら、相続した財産は本人が何らかの活動を行って得た収入ではありません。降って湧いたようなものですから、これは所得税の計算の元となる「所得」には入らないのです。

注意
ただし当然、以下の基礎控除額以上の財産には相続税がかかりますので、別途相続税の手続きは必要となります。

相続税の基礎控除額:3000万円 + 相続する人数 × 500万円

従って、財産を相続した場合は住宅ローン控除には特に影響しません。たまたま相続があってその年は事実上3000万円以上の所得があったとしても、前年と同様に住宅ローン控除の手続きをすればOKです。

まとめ

住宅ローン控除の所得制限について解説しました。年収ではなくあくまで「所得」が3000万円を超えてしまうと、せっかく住宅ローンを組んでも控除の恩恵を受けることは出来なくなってしまいます。

一般庶民で気になるケースとして、①退職金をもらった時、②投資で儲けた時、③遺産を相続した時の3パターンをご紹介しましたが、基本的にはご自身の力で手に入れたお金以外は所得に含まれませんので、③の場合は特に所得制限に引っ掛かりません(ただし、より面倒な相続税などの手続きが別途必要です)。

また、単年で一時的に所得が上がってしまった場合、その年は住宅ローン控除を受けることができなくなりますが、翌年以降で所得が下がれば、再度控除を受けることができるようです。

みのりた自身にはあまり縁のなさそうな話ではありますが、もし今回のケースに当てはまるような方がいらっしゃいましたら、参考になさって下さい。