みのりたです。
ライフプランシミュレーションについて、先回から前後半に分けてお伝えしています。
前半記事:ライフプランシミュレーションはエクセルがおすすめ!活用したい無料フォーマット

後半である今回は、実際にみのりた家でシミュレーションした結果を公開し、特に子育て世帯が関心の大きい教育費の検証をして行きます。
住宅ローンの返済や将来の教育費の準備に不安を抱えていらっしゃる方や、ご自分でシミュレーションをしてみたけど、この結果についてどう考えたらいいか知りたいという方の参考になればと思います。
目次
教育費の試算用データ
教育費は人生の3大出費の1つに数えられています(残りの2つは住宅費と老後費用)。住宅ローンの返済や日々の生活をしながら子供の教育費をきちんと貯められるかは、子育て世帯のライフプランにとって山場と言えるでしょう。
ここからは、「教育費」として一体どの位を見込むべきなのかを予測していきます。ご自身の家庭で想定している進路に従って、ライフプラン表に金額を入力してみて下さい。
なお、教育費の試算によく使われるのが、文部科学省(文科省)が行っている「子供の学習費調査」です。
こちらには課外活動費、つまり習い事や部活、塾の費用も含まれています。従って、基本的にはこの表の平均値を入れておけば、教育費は概ね試算できることになります。
今回みのりたも小学校~高校まではこのデータを参考に、各種学費をまとめました。
未就学児(保育園・幼稚園)
幼稚園の場合は子供の学習調査結果にデータがありますが、例えば私立幼稚園の場合、助成金が交付される自治体も多いでしょう。実際にかかる金額は皆さんまちまちですから、あまり正確とは言えません。
ましてや保育園の場合、文科省の調査対象には全く含まれていませんし、それこそ自治体や親の収入によって金額が千差万別なので、ここでは具体的な数値を挙げるのは控えておきます。
既に幼稚園・保育園に通っているお子さんがいる方はその料金を、まだお子さんが小さい方はお住まいの自治体HPなどから、かかりそうな金額を調べてみて下さい。
※HP上などに具体的な金額が載っていない場合は、電話で問い合わせてみて下さい。
小学校~高校
先に触れた文科省による「子供の学習費調査」結果概要をまとめた表が以下になります。
※給食費は学校生活で必須の費用ですので、以後学費に含めます
小学校
公立:学費 10万円、塾・習い事 22万円
私立:学費 91万円、塾・習い事 62万円
小学生は教材費がかかりそうなイメージを持っていましたが、公立なら、学費はわずか10万円程度なんですね。一方習い事は22万円と、合計に占める割合が非常に大きいです。
特にみのりた家のようにフルタイムの共働き家庭には、放課後子供一人で留守番をさせたくないからと、習い事を沢山させる親御さんが結構いらっしゃいます。みのりた家も、恐らく1人2〜3個は習い事をさせるでしょう。
FPさんの中には、お子さんが小学生の内が貯め時ですよ!と言われる方もいらっしゃいますが、我が家のような家庭にはあまり関係ないと思っています。実際、後程お見せするみのりた家のライフプランシミュレーション結果を見て頂くと分かりますが、子供2人が小学校に上がっても、年間の教育費はほぼ変動がありません。
それから私立小学校に関してですが、親の年収700万円台でも小学校から私立に通わせるご家庭があるそうで、私はこれを知った時、正直驚きました。自分なら無理だなと思ってしまったからです。しかし本当に通わせ(続け)られるものなのか興味が湧いたので、後でシミュレーション結果をお見せします。
中学校
公立:学費 18万円、塾・習い事 30万円
私立:学費 101万円、塾・習い事 32万円
特に首都圏では、中学校から私立に入れたいというご家庭も増えるでしょう。しかし学費の差は5倍以上ですから、しっかり計画的に教育費を貯めていく必要があります。
なお、部活費用は学費に含まれます。みのりたは中学時代運動部に所属しており、ユニフォームやら器具やら色々買った記憶がありますが、負担としてはそんなに大きくないのですね。
高校(高等学校)
公立:学費 28万円、塾・習い事 17万円
私立:学費 76万円、塾・習い事 28万円
中学までは、ほぼ親の意志で進路を決められましたが、ここからは子供の希望や実力次第になってきますね。みのりたの実家では、高校以上は絶対公立!が合言葉でした。(結果的に守れませんでしたけど…)
公立と私立を比較してみると、学費の面では差がかなり縮まってきます。塾・習い事代の差が中学校に比べて開いていますが、それを差し引いても、差は2倍強。私立に通わせ続けた親御さんは、この頃になるとむしろ生活が楽になって来るかも知れません。
ちなみに就職で有利になるような大学へ進学するためには、公立高校では(一部の優秀な生徒を除き)塾・予備校通いが必須です。しかし私立の進学校や特進コースでは、学校内でかなりカリキュラムが充実していて、塾・予備校へ通う必要がない場合もあります。
必ずしも、公立高校へ進学することが教育費の節約にはならないということは、覚えておいても良いと思います。
大学・大学院
大学まで進むと、もうかかるのはほぼ授業料のみ(医歯系は教材費も大きい)です。いくらかかるかは、Benesseのサイト「マナビジョン」にまとめられたデータが分かりやすいです。
出典:マナビジョン「入学から卒業までにかかるお金(2)学費編」
入学金を除いた授業料ですと、概ね以下の通りです。
国公立 :54万円
私立文系 :75万円
私立理系 :105万円
私立医歯系:274万円
医歯系は別格ですが、それ以外なら、国公立と私立の差が2倍以内に収まってきます。ひとり暮らしするかどうかによって、教育費全体の金額が変わってくるので、遠くの国公立大学より近くの私立大学の方がお得なケースも。
学費以外で考慮したいお金
ひとり暮らしの仕送り
主に大学生でかかって来ますね。地方在住の方は、このお金がかかる可能性が高くなりますので、予め想定しておいた方が良いと思います。
みのりた家では、月々10万円を仕送りすると想定しました。
入学金と入学準備費用
小学、中学、高校、大学や専門学校と、新しい学校に入った年は入学準備で何かと物入りです。10万単位は平気でかかりますので、子供が入学する年の教育費はその分プラスしておきましょう。制服代など子供自身にかかるお金だけでなく、入学式に着る母のスーツ代なども含めて考えます。
みのりた家では、各入学年に、高校までは一人あたり20万円、大学は30万円をそれぞれ計上しました。
【実例】みのりた家のライフプラン
シミュレーション条件
今回はみのりた家のライフスタイルを考慮し、以下の条件でライフプラン表を作成しました。端折ったつもりですが、書き出してみると意外と沢山の仮定をしていることが分かります。
1. 夫婦
- 定年まで夫婦共働き
- 給与は50歳まで毎年2%上昇する(収入の項目に反映)
- 55歳で役職定年し、収入が下がる
- 定年は現在と同じく60歳
- みのりたは65歳、夫は63歳まで再雇用で働く
- 年金は現在と同じく65歳からもらえる
2. 子供(教育)
- 中学までは公立
- 上の子は高校も大学も国公立、大学院修士まで進学
- 下の子は高校も大学も私立へ進学、ひとり暮らしを想定
3. 子供(教育以外)
- 人数は2人
- 大学・大学院卒業後は就職して家を出る(子の分の生活費が不要になる)
- 就職後は経済的な援助をしない
- 結婚時にご祝儀をそれぞれ100万円出す
- 孫が合計4人産まれ、1人増える毎に年間10万円は出費する
4. 住宅
- 5年後にリフォームをする
- 13年後に現在の住まいを売却し、2度目の住宅購入をする
- みのりたの再雇用期間が終了した時点で、夫婦の出身地へ移住する(3度目の住宅購入)
5. 車
- 買い替えサイクルは基本9年とする
- 妻の再雇用期間終了前に手放す
6. その他
- 物価が毎年1%上がる(生活費の項目に反映)
- 下の子が大学生になるまで、およそ5年に一度海外旅行をする
シミュレーション結果
みのりた家の家計データを基にライフプランをシミュレートした結果がこちらになります。下の子が大学を卒業する年に、丁度みのりたが60歳(定年)、夫は58歳です。
※使用フォーマット:FP中川さん作「ライフプラン表ひな形」を自分流にアレンジ
前半(~下の子高校入学)
後半(~老後)
教育費の検証結果
この進路で問題ないかを判断するポイントは、以下の2つです。
1. 子供最終学歴卒業年時点の預貯金(貯蓄)
みのりた家の場合、下の子が大学を卒業する年に私が定年を迎えますが、退職金として計上している1000万円を除いても1億円以上は貯まる計算ですから、予定通り貯まれば(!)特に問題ないんじゃないかと思います。
ご自身の検討をされる場合は、年齢や生活状況によるので、いくらあれば良いという指標はありませんが、子供が最終学歴を卒業する時点で定年まで10年を切っているのに、預貯金が1000万円も無い…というような状態では、かなり老後が厳しくなると予想されます。
2. 子供在学中の赤字転落有無
子供が複数大学生ともなれば、教育費が年間200万円を超えることもザラです。家計が赤字になることもあるでしょう。しかしライフプラン表の預金残高がマイナス(赤字)になる年があったら、それは危険信号です。預金の残高がマイナス=家にお金が全くなくなる、つまり借金をしなくてはならないことを意味するからです。
みのりた家の例を見てみると、2017年や2025年に年間収支(家計)はマイナスになっています。これは車や2度目の住宅購入といった大型出費によるものですが、それでも預金残高はプラス(黒字)のままなので、手持ちの資金から購入費用がまかなえており、特に問題はありません。
もう一度お伝えしますが、預金残高がマイナスになってしまう年があったら、それは危険です。マネープランとして成り立っていないので、教育費のかけ方を見直すか収入を増やす必要があります。
条件を変えてのシミュレーション結果
では次に、条件を変えたらどうなるのか、再度シミュレーションしてみましょう。今回は教育に特化して考えたいので、変えるのは教育に関する条件だけです。
教育費をモリモリかける条件
こんな、オール私立のフルコースで検証してみました(実際には絶対やりません)。
- 子供は2人とも小学校から最終学歴までずっと私立
- 2人とも大学院修士まで進学
- 大学から2人ともひとり暮らし
結果
表示が面倒なので総額だけ表示しますと、当初の「公立・私立ハイブリッド型」の想定進路と「オール私立型」の想定進路とでは、教育費の総額が約4400万円→約7800万円と1.8倍近く膨らみました。…が、まだ何とかなりそうなレベルです。ここから更に医者になりたいと言われたら、ちょっと考えてしまう感じですね。
このように、ライフプランシミュレーションは、条件を変えて複数の進路パターンで表を作れば、どこまで子供の教育費を掛けても大丈夫そうなのか、といった予測を立てることができ、ご自身で具体的な対策を考えるのに使えます。
年収700万円家庭が子供2人を私立小に通わせるには
先ほど年収700万円で子供を2人、小学校から私立に通わせるのは可能かという問題を提起しましたが、そのシミュレーションもしてみました。みのりた家の世帯年収を、上の子小学校入学時点で700万円に合わせて(奨学金は無しとして)、支出は収入の比率に合わせて減らした上で計算した結果が、以下の通りです。
- 住宅はずっと今の住まいのまま(リフォーム、買い換えはしない)、海外旅行は行かない、予備費も全て教育費につぎ込んだとしても、2人目の子供が小学校に入学した時点で完全に赤字家計へ転落する
- その後高校へ入ると次第に赤字は解消され、少しずつ貯金を増やすことができる
- 2人とも自宅から通える大学もしくは国公立大学へ行ければ、定年時に退職金+1000万円程度が老後資金として用意できそう
どうでしょう、意外と何とかなりそうな気もしますね。みのりたはシミュレーション前はかなり無謀なんじゃないかと考えていましたが、そうでもなさそうです。ただしこの試算を満たすためには、次の2つの条件が必須になります。
- 上の子供が小学校に入る前までに貯金1000万円を用意すること
- 月々の生活費(固定費・変動費・特別費全て含む)は30万円以内に収める
もし年収700万円程で、お子さんを小学校から私立に入れたいとお考えの方は、参考になさって下さい。
おまけ:奨学金の利用について
みのりたは、大学・大学院の学費を一部、日本学生支援機構の奨学金から借りて進学しており、現在も返済を続けています。総額で450万円ほど。あと3年ほどで完済予定ですが、足掛け14年、とても長い道のりです。
実家の経済状況が厳しかったので仕方なかった面もあるのですが、やはり大きな負担であることには違いありません。
ですから、シミュレーションの結果教育費が足りなくなりそうで、それなら奨学金を利用すればいいやとお考えの方がいらっしゃいましたら、それはちょっと待って欲しいと思います。
本当にどうにもなりませんか?今の支出を見直せば、大抵の人は10年後には100万円や200万円程度なら捻出できる可能性がいくらでもあります。
それに、子供が小さい内にあまり効果的でない習い事にお金を使い過ぎていませんか?本当にお金が必要になるのは、お子さんが自分の意志で進路を選ぶ段になってからです。
子供の立場から言わせてもらうと、あまり行きたくない習い事なんかより、きちんと大学費用まで出してもらえた方がよっぽど嬉しいですから、子供のためを思うなら、奨学金を借りるのは本当の最終手段にして下さい。
まとめ
ライフプランシミュレーションの詳細記事後半として、みのりた家の実例を使い、シミュレーション結果(教育費)の検証方法を解説しました。
ただ、このシミュレーションはあくまで「現時点での費用・状況を未来にも当てはめた試算結果」ですから、実際の30年後を正確に予想できるものではありません。学費だって、少子高齢化が進めば、ますます高額化するでしょう。
前半記事でもお伝えしましたが、この結果は、当てにして安心したり絶望したりするためのものではありませんから、例え結果が思わしくなくても、希望する進路を諦める必要はありません。
逆にどうしたらその進路を叶えられるか家族で話し合い、無駄な出費を省いたり仕事の仕方を変えてみたりして、実現できそうなプランを立てられれば、その後の生活でグッと貯金へのモチベーションも上がって、より希望の実現度が増すでしょう。
子育て世帯の皆さん、上手に活用して、老後に困らないマネープランをご家族で話し合ってみませんか。
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