定年後は働きたくない?働く人、何もしない人の割合と生活費の設計方法

みのりたです。

私はまだ30代でまだまだ子育ての真っ最中、老後なんてしばらく先だと思っていましたが、勤務先で定年後も再雇用制度を使って働き続ける方が身近におり、60歳以降も働くことについて考えさせられる機会が増えて来ました。

しかし、私の身近にいる方は生き生きと働いているのですが、ふと疑問が湧いてきました。

世の中で定年された(又はもうすぐ定年される)皆さんは、「まだ働きたい」と思う人と「もう働きたくない」と思う人、どっちが多いのだろう?と。

今回は、近頃発表された統計調査の結果を基に、定年後に働きたい人、働きたくない人、それぞれの割合と、彼らの生活費の設計について考察してみたいと思います。

定年後も働きたい/働きたくないと思う人の割合

まず、まだ現役だけどもうすぐ定年が見えてきた…という諸先輩方が、定年後も働きたいと思っているのか、それともリタイアしたいと思っているのか、どちらなのかを調べてみました。今回参考にした統計調査は、明治安田生活福祉研究所が実施した調査、「2018年 50代・60代の働き方に関する意識と実態」です。

明治安田生活福祉研究所によれば、今回の調査の概要は以下の通り記されています。定年される前の方と定年後の方、両方を対象にしていますね。

  • 調査期間:2018 年2月
  • 調査対象:50 代・60 代の全国の男女 6,250 名
  • 調査内容:働き方に関する意識調査
  • 目的:役職定年や定年後の継続雇用など中高年の就労における節目での働き方や収入の変化、定年制度に関する意識や実態などを明らかにすること

出典:明治安田生活福祉研究所「2018年 50代・60代の働き方に関する意識と実態」より

この調査結果の中から、定年前の方に「定年後も働きたいか」と尋ねた結果が以下のグラフになります。

図1 定年後も働きたいか

出典:明治安田生活福祉研究所「2018年 50代・60代の働き方に関する意識と実態」

実際に働けるかどうかは別として、働きたいという意思を持っている方は、男性でも女性でも約8割に上ります。ほとんどの方が、働き続けたいと思っているのですね。みのりたはもう少し少ないかと思っていました。「60歳という年齢の区切りだけで引退させられてしまうのは嫌だ」ということなんでしょうね。

ただしその中の3割近くの方が「働きたくても働けない」という状態ということも分かりました。事情はアンケート調査からでは見えませんでしたが、ご自身の健康上の理由や親御さんの介護など、きっと各ご家庭で様々な事情があるのでしょう。

その一方、年齢が下がるごとにその割合は低くなる傾向があり、このご時世、働き続けるのは難儀だなと思う人が増えているのも確かなように感じます。

全体的に「働きたくない」と思う傾向は女性の方が多く、4人に1人は働きたくないと考えていることが分かります。しかしこれは女性が怠け者という意味ではないように思います。みのりたも共働き主婦の身なので、何となくわかりますが、仕事に家のことにてんやわんやで、どちらも一生懸命考えて身を割き続けるのは、結構しんどいんです。

正直、みのりた自身も老後は会社員という身分は卒業したいですね。

働きたい人の「働く理由」

働きたいと思っている皆さんがどうして働きたいと思っているのか、その理由は以下の通りだそうです。

図2 定年後も働きたいと思う理由


出典:明治安田生活福祉研究所「2018年 50代・60代の働き方に関する意識と実態」

圧倒的に「生計維持のため」という方が多いですね。ちょっと意地悪な言い方をすれば、本当は働きくないのに、生活のために嫌々働いている…という方が多いのかな?と思えてきます。

ただし、年齢によって少し面白い傾向も見えてきます。「日々の生活維持」や「より豊かな生活」というのは、いわばお金目的の理由ですが、これは年齢が低くなるほど割合としては高くなる傾向でした。年金が着実に減らされていく中、60~65歳という年金の空白期間の生活費確保が、それだけ深刻な課題になって来ているのでしょう。

今の50代の方々はバブルを経験していたり、一方で今ほど投資が一般的ではなかったので、資産を増やす経験が少なかったことから、意外と貯金が少なかったり、生活費を計画的にやりくりして将来に備えるのが苦手な方も多いんじゃないかと、勝手に想像しています。

それに対して、「生活のハリ・生きがい」や「社会とのつながり」といった理由は、年齢が高くなるほど割合も高くなる傾向にありました。60歳を超えると、完全とは言わないまでも、セミリタイアをされる方も多いと思います。それに年金の受給開始もすぐそこに見えている方々ですから、彼ら(彼女ら)が働き続ける理由としては、単純な報酬だけではない、人生の質を高める目的が含まれてくるのではないでしょうか。

ちなみに、みのりたが知る定年後再雇用者の方も、まだ数人ですが概ね2パターンに分かれていると感じます。

1つは「ぶっちゃけ家にいてもやることない or お金がないから働きに来てる」パターンです。この手の方は、ずっと仕事人間で通って来ていたので、今更家にいるだけでは物足りないのか、若手や現役社員にためになる「アドバイス」を沢山くださいます。

…まぁそれが現状に即していない場合も多いのですが。

また、結構プライドが高いためか仕事を選り好みしたり、定年後のお給料が下がることにブツクサ文句を言う確率が高いです。定年前の役職としては、割と上の方まで昇進した方が多い印象ですね。

そしてもう1つは「この仕事が好きだから、まだ世間の役に立ちたいから」というやりがい重視のパターン。この手の方は、手に職を持っている(その人にしかできない専門分野などがある)ことが多いです。そのため、ご自身で手足を動かすことをあまり厭わず、現役社員の立場からしても一緒に働きやすいです。

みのりたの近くにいらっしゃる方もこちらに当てはまるのですが、責任からは解放されてやりたい仕事を割と自由にやらせてもらっているためか、「お金は別に最低限でもいいんですよ。65歳で再雇用が終わったら、また別の職探すよ!」と、65歳から就職活動をされる気満々で驚きました。

しかし彼なら、特定分野の専門知識に秀でているので、中小企業などでも是非迎えたいという所がありそうだな、と感じています。

定年後に働く/働かない人の本音

さて、実際に定年を迎えられた60歳以上の先輩方は、働く/働かないの選択に対して、実際の所どう思われているのでしょうか?希望通りの状態なのか、それとも本音と真逆の状態になってしまっているのか?

これを調べるには、電通総研で参考になる調査が実施されていましたので、ご紹介します。

電通総研の「シニア×働く」調査は、50代後半に就労経験のある60~69歳の2,600名の男女を対象に、仕事や働くことへの意識及び満足度がまとめられたものです。この調査結果の内、60代(一般的な定年退職を迎えた方々)で働いている人/働いていない人、それぞれが意欲として働きたいか/働きたくないかをまとめた表が以下になります。

出典:電通総研「シニア×働く」調査

少し見にくい表ですが、オレンジで塗りつぶされた部分が、本人の意思と現状が合っている、即ち「働きたくて働いている」か「働きたくないから働いていない」人の割合を示しています。逆に白い部分は、本人の意思に現状が反している、即ち「働きたいのに働けない」か「働きたくないのに働いている」人の割合です。

どうでしょうか、全体としては希望通りの生活を送っている方が7割程度希望にそぐわない生活を送っている方が3割程度といった所のようです。

ただ、こちらも60代前半と後半とで傾向には差が出ていて、60代前半では「嫌々働いている」人が男女平均で4割にも上りますが、60代後半では逆に「働きたくても働けない」人が男女平均で5割近くになっています。

これらの結果は、年齢が上がると共に報酬以外の目的で仕事を求める傾向が強いという、先ほどの明治安田生活福祉研究所の調査結果とも符合していますね。

年金が支給されるまでは生活が苦しいから「働きたくないのに…」と思いながら働き続け、いざ年金が支給されて経済不安からある程度解放されると、今度は逆に生きがいを求めて働きたくなる。

結局は働こうが働かまいが、社会に何らかの形でかかわり続けたいという願望が、心の奥底に潜んでいるのが本音なのかなと、みのりたは本結果から感じ取りました。

定年後の生活設計

ではこれらの調査結果などから、定年後の生活設計をどう考えるべきでしょうか。ここでは60代前半、年金が支給されるまでの生活設計を考えてみたいと思います。

まず、60代前半の方では嫌々ながら生活のために仕方なく働いている方が多いという結果でした。彼らにとっての理想は、男性なら今までの経験や知識を生かしてのんびり働くこと、女性ならパートタイムで自由にのんびり働くことです。

これが希望通りにならないということは、思う以上に稼がなければいけない現状がある訳ですから、資産にそんなに働かずとも済むだけの余裕があれば良い訳ですね。ただ年金はまだ支給されない(繰り上げで支給開始することはできますが、なるべくなら繰り上げずに行くべきとみのりたは考えます)ので、足りない分は他の手段で補う必要があります。

この手段としては、主に以下の3つが挙げられるかなと思います。

  1. 投資など不労所得を得る
  2. 個人年金や企業年金を受け取る
  3. 確定拠出年金を受け取る

1 投資など不労所得を得る

この手段が取れるなら、生涯年金にも頼らず生きていける可能性が出てきますから、是非積極的に投資や副業など勉強したいところです。

がしかし注意したいのは、定年後に一から始めるのはまず止めた方が良いということです。特に、退職金で投資を始めるのは絶対に止めて下さい。どれだけ証券会社の営業マンにVIP待遇を受けようとも、です!

一応10年以上株式相場に足を突っ込んでいる身から言わせて頂くと、投資なんてマイナスになる時期が必ず来ます。ですが、退職金という虎の子を突っ込んでしまったら、もう挽回するための資金が無くなってしまいます。

もちろん、今はネットビジネスなど元手のほとんどかからない副業もあります。そういった類の手段であれば、定年後でも挑戦する価値はあると思いますが、収益化するまでに時間もかかりますから、結局生活の足しにするのはなかなか難しいですよね。

もしも副業や投資に興味をお持ちの方がいらっしゃったら、できれば定年の10年以上前から、どんな手段で行くのか、準備を始められることをおすすめしたいです。

2 個人年金や企業年金を受け取る

個人年金保険は、現役時代にコツコツ自分で積み立てていたお金を、60歳以降に多少の利息を付けて、保険会社から年金のような形で払ってもらえる保険です。銀行の雀の涙ほどの利息よりは多めに増えて帰ってくる上、保険控除の専用の枠があるので、節税効果もあります。

投資でのリスクを嫌う人が好みそうですが、例えば月1万円を45歳から15年間掛け続けたとして、60歳~64歳で受け取れる金額がせいぜい月3~4万円といった所です。これではさすがに、のんびりパートで働いて…という訳にはいかないのではないでしょうか。

また、企業年金は退職金の一部を年金方式で支払ってもらえるもので、掛け金は全額企業が負担しています。大変ありがたい収入源だと思うのですが、残念ながらこの企業年金を払えるだけの企業は、どんどん減っています。かなりの大企業でもない限りは、みのりたのような30代が定年した時にもらえる代物ではありません。よって、こちらもあまり期待しない方が良いですね。

 

3 確定拠出年金を受け取る

今の現役世代が考えるなら、最も現実的な解がこちらでしょう。今は、退職金をこの確定拠出年金で社員自身に運用させる会社も増えています。

確定拠出年金は、要は退職金の原資をひたすら投資信託に積み立てていくもので、その掛け金が全額所得から控除されるという強力なメリットがあります。例え投資で1銭も儲けが出なくても、一般的な会社員なら掛け金×0.1の金額は事実上利息として受け取れているのです。

仮に月1万円を確定拠出年金の掛け金として15年間払い続けると、全部で1万円×12ヶ月×15年間=180万円ですから、投資で全く儲けが出なくても18万円は増えて戻って来る計算になります(手数料除く)。これに毎月投資信託を買い続ける積立投資の利益が乗りますから、同じ掛け金でも個人年金よりは遥かに生活の糧になり得ます。

もちろん元本割れのリスクはありますが、積立投資にはそれなりに根拠のある勝算があります。10年以上(できれば20年は)きちんと続けていれば、プラスになる可能性がかなり高いですし、投資の勉強を始めるのにも非常に適した手段なので、定年まで10年以上ある方は、イデコでも是非始めてみて欲しいと思います。

確定拠出年金については、別記事で詳しく解説したいと思います。

まとめ

定年後に働き続ける人、働くのを辞めた人の割合と、彼らの本音(本当は働きたくないのに働いている、逆に働きたいのに働けない)に関するデータを、統計調査結果からまとめました。

年金支給年齢が65歳に引き上げられた今、60歳で定年を迎えると年金支給までに5年間の空白期間が生まれます。その間を埋めるため、60代前半では嫌々でも働き続け、一方でいざ年金が支給される60代後半になってみると、今度は働きたくても働けなくなってくる、生きがいがなくなってくる…そんな現状が垣間見えました。

どんな形であれ、やはり社会との関わりを持ち続けるということは、ハリのある人生を送るために大切になってくるんでしょうね。

みのりた自身はまだ老後は先の話ですが、きっと我々世代が老人になる頃には、年金支給開始も70歳になっていることでしょう。今の内から、年を取っても必要とされるスキルや経験を身に付けておきたいものだなと、つくづく考えさせられた調査結果でした。

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