みのりたです。
先日名古屋の金山駅で、ボストン美術館が閉館するという知らせを見かけました。
名古屋ボストン美術館と言えば、名古屋駅からほど近い金山駅のすぐ近くにある美術館です。
少し寂しい気持ちと共に、何故閉館してしまうんだろう?閉館後、跡地はどうなるの?など、疑問が湧いてきたので、調べてみました。
ボストン美術館の概要
名古屋のボストン美術館は、1999年にアメリカのボストン美術館の姉妹館としてオープンしました。
具体的な場所や営業時間は以下の通りです。
開館時間
火~金曜日 | 10:00~19:00 |
---|---|
土・日・祝休日 | 10:00~17:00 |
最終入館 | 閉館の30分前まで |
休館日
月曜日
入館料
一般 | 高大生 | 中学生以下 |
---|---|---|
1,300円 (1,100円) |
900円 (700円) |
無料 |
- ( )内は前売/団体(20名以上)および平日17:00以降の割引入館料金です
- 平日17:00以降の高校生は無料です
- 学生の方は証明書を提示する必要があります
- 身体障害者手帳、戦傷病者手帳、療育手帳(知的障害者)、被爆者健康手帳、精神障害者保健福祉手帳を提示された方は、高大生料金が適用されます。なお、介護者1名様は無料となります
なお、こちらの公式HP上で、入館料の割引券を入手することができます。印刷するか、又は入館時に画面を提示すれば、入館料が100円引きになります。
名古屋ボストン美術館「お得な入館料金割引券」
アクセス
所在地 | 〒460-0023 名古屋市中区金山町一丁目1番1号 |
---|---|
TEL | 052-684-0101 |
最寄駅:JR東海道・中央本線、地下鉄名城線、名鉄名古屋本線「金山」駅
※「南口」を出てすぐ右側にある、ANAクラウンプラザホテルが入ったビルです
ボストン美術館の閉館日
先程の写真にもあった通り、2018年10月8日㈪が最後の営業日=閉館日になります。
1999年に開館してから、約20年間で幕を下ろすことになってしまったんですね。
最後の展示会は「ハピネス~明日の幸せを求めて~」です。
最終日の10月8日は17時までの営業となりますので、ご注意ください。
最終展ハピネスの特設ページはこちら↓↓↓
名古屋ボストン美術館 最終展ハピネス特設サイト
ボストン美術館は何故閉館するのか
アクセスとしては、名古屋の中心地に近い金山駅からすぐの場所にあり、かなり便利です。なぜ閉館してしまうのか疑問でしたが、経営的にはずっと赤字が続いており、閉館自体は2016年から決まっていたそうです。
便利な場所=土地代(テナント料)が高いことを意味しますから、相当数の客入りがないと経営が難しいだろうというのは、容易に予測できます。
実際、開館初年度の1999年は入館者数が70万人を超えたそうですが、それ以降はずっと平均20万人程度で推移しており、当初予測していた33万人を下回っていました。
予想に対して毎年13万人少ない…単純に入館料を1人1000円と仮定すると、年間で1億3000万円の赤字ということになります。それが20年間ですから、まぁ仕方ないのかなという気がしてきました。
ちなみに、アメリカ(米国)のボストン美術館との姉妹館契約は、当初から20年間と決まっており、「20年後に契約更新するかどうか決めようね!」となっていたそうです。
しかしこの契約内容が、以下の通り名古屋側に不利な内容だったため、その後色々交渉して条件を譲歩してもらったものの、「あまり旨味もないよね」ということで、契約更新はしないという方針で固まったのでしょう。
- 名古屋側に展示品の選定権が無い
- ボストンの所蔵品と他の美術品を一緒に展示できない
- 開館後20年間でアメリカ側へ5千万ドル近い寄付をしなければならない
うーん、見れば見るほど、なぜ最初からこの企画で美術館を開こうと思ったのか謎なくらい、不利な条件ですね。
ボストン美術館の閉館後はどうなるのか
名古屋市はボストン美術館の跡地利用に関して、7月末から公募を始めています。年内の選定を目指しているようですが、9月現在、特に決まったという報道などは出ていないので、まだ募集中なのでしょう。
場所的に、募集すればすぐにでも使いたい!という企業などが出てきても良さそうなものですが、難航している理由は、施設の構造にあるようです。
- 元々美術館用に作られた施設なので窓がない
- 展示品のための特殊な空調を設けている
これら特徴から、飲食店やイベント会場として使うのが難しいのです。仮にリフォームするとなると数十億円程度かかるそうで、事実上展示施設として使うしかありません。
しかし、名古屋市が2018年2月に、民間業者98社(東海地方のみ)にアンケート調査を行ったところ、美術館や博物館として利用したいという回答は1つもなかったそうです。
まぁそりゃそうだって話ですよね。美術館が経営難で閉館するのに、その跡地でまた美術館を運営したいという企業や団体は、なかなかいないでしょう。
現在は東海地方に限らず、他地方や海外まで範囲を広げて、美術館や博物館(もしくはそれらを持っている企業など)に働きかけを行っているようですので、無事に次の施設が決まってくれることを祈りたいと思います。
先行き不透明な「名古屋ボストン美術館の跡地問題」、また進展があったら本ブログでもご紹介しますね!
まとめ
名古屋ボストン美術館の閉館について、閉館日や理由、またその後の跡地がどうなるかなど、調査しました。
駅前で便利な場所にあった美術館がなくなってしまうのは残念ですが、経営難が20年近くも続いていたとは驚きですね。アメリカのボストン美術館との契約も丁度満期になるし、仕方のない選択だったのかも知れません。
まだ跡地がどうなるかは決まっていませんが、また市民や観光客の方々が楽しめる施設になってくれることを期待しつつ、今後の展開を見守りたいと思います。
10月8日まであと約1ヶ月。今までボストン美術館に親しんだ方もまだ行ったこと無かった方も、最後に足を運んでみてはいかがでしょうか。