住民税も払いすぎたら還付される?いつ戻ってくるかなど仕組みを解説!

みのりたです。

年末調整や確定申告によって、払い過ぎた所得税が後日自分の手元に戻ってくるという経験は皆さんお持ちでしょう。一方、住民税はどうでしょうか?

ふるさと納税をしたりして住民税から控除なんて言葉も聞きますが、いつ還付されているの?年末調整の中に含まれているの?など、所得税に比べて分かりづらい仕組みとなっているのも事実です。

実は住民税は所得税と違って「還付」される訳ではありません。本来払うはずの住民税の金額から減額されるという形で、間接的に還元されているのです。

今回はそんな住民税の還付(減額)の仕組みについて、詳しく解説してみたいと思います。

住民税がちゃんと控除されているか確認したい!という方はこちらの記事も参考にどうぞ。ふるさと納税を例にしていますが、他の控除でも見方は同じです↓↓↓
【ふるさと納税】住民税通知書の見方を解説!初心者でもわかる控除額の確認方法
【ふるさと納税】住民税通知書の見方を解説!初心者でもわかる控除額の確認方法

住民税とは?をおさらい

住民税とは

みのりた
住民税は住んでいる(住民票のある)自治体に収める税金で、言わばあなたがそこに住んでいることでかかるコストです
ゲスト
いやいや、俺独身だから子供に関する費用もかからないし、平日は仕事で全然いないから、正直住んでてもほとんどコストかかってないんですけど!
みのりた
でも毎週ゴミ回収してもらったり、道路整備してもらったり、年を取って退職したら近くの公民館で地域の集まりに参加したりするかもしれませんよね。
そういう公共サービスを受けられるのは、住民税のおかげでもあるんですよ

※住民税は住民票のある自治体で課税されるのが基本ですが、自営業者の場合、例え住んでいなくても事業所がある土地には別途住民税を支払う必要があります。

ゲスト
あれ?例えば年の途中で引っ越したりしたらどうなるの?
みのりた
住民税はその年の1月1日時点の状況で決まるので、年の途中で住所が変わっても、その年の住民税は元の住所があった自治体に支払われます。

また所得税同様、所得が一定額以下の方などは住民税も課税されません。住民税が非課税となる具体的な条件については、少しややこしいのでまた別の機会にご紹介します。

 

住民税の内訳

一口に住民税と言っても、実は県民税と市民税に分かれています。つまり、都道府県に収める分と市区町村に収める分が合わさった金額なんですね。

更にその県民税と市民税にはそれぞれ均等割と所得割という2つの区別があるため、図にすると以下のような構成になっています。

均等割:所得にかかわらず全員が負担する一定の額

所得割:所得に応じて負担額が変わる金額。前年の所得金額が基準となっており、前年1月1日~12月31日の所得に基づいて計算されます

みのりた
複数の収入がある方は、全ての所得を合わせた総所得額をベースに計算されます

住民税支払いまでの流れ

住民税は先ほどご説明した前年の所得に基づいて計算され、その金額は5月に決定します。例えば2020年の住民税が決まるまでの流れを図解してみました。

2019年の年末まで働いた分の所得について、会社員なら年末調整で2020年1月末までに、自営業者や個人事業主(一部の会社員も)なら確定申告で2020年3月までにそれぞれ申告し、その後お役所が住民税の計算をして払うべき税金の金額が2020年の5月中に決まるという流れです。

年末調整の期限についてはこちらの記事で詳しく紹介しています↓↓↓
年末調整期限を過ぎたらどうなる?2018年はいつまでかと個人の対処法も!
年末調整期限を過ぎたらどうなる?2018年はいつまでかと個人の対処法も!

みのりたはいつも、年末調整で正しい税金の金額が算出されるんだし何で住民税の支払いが6月からなの?と疑問に思っていましたが、実はお役所側も結構忙しいんですね。正味2ヶ月くらいで全住民の住民税額を正確に算出しなければならないんですから。

そして私達の手元には大抵6月に住民税額決定通知書というものが送られて来ますよね。あまり見ていない人も多いかも知れませんが、後で説明する還付金についてもあの中に全て記載されていますから、住民税の減額(払い戻し)について知りたい方は大切に保管しておいてください。

住民税通知書の見方についてはこちらの記事も参考になります↓↓↓
【ふるさと納税】住民税通知書の見方を解説!初心者でもわかる控除額の確認方法
【ふるさと納税】住民税通知書の見方を解説!初心者でもわかる控除額の確認方法

そして6月からは心機一転(?)、2020年度の住民税支払いが始まり、1年間かけて計算された住民税額を支払っていくことになるのです。会社員なら毎月の給与から引き落とされる特別徴収、それ以外の方なら年4回に分けて支払う普通徴収という方法ですね。

住民税を払いすぎた場合の対処

所得税の場合、年末調整や確定申告によって払いすぎた税金は戻って(還付されて)来ますが、住民税はどうなんだろう?そう思われた方もいらっしゃるでしょう。

前項までにご説明した住民税支払の流れを見て頂ければわかると思うのですが、住民税は所得が確定した後に翌年分を計算するので、期限内にきちんと申告すれば基本的に払いすぎるという事象は起きません

住民税の還付方法

例えば年末調整で配偶者控除や住宅ローン控除を受けたり、確定申告で寄付金控除を受けたりする場合、住民税も結果的に控除されます。されますが、それは翌年分の住民税を計算する際に減額されるという形で還付され、所得税のように後から振り込まれるということはないのです。

唯一、住民税を払いすぎたというケースに当てはまるとしたら、例えば寡婦控除などを申告しそびれていて、後から払いすぎた税金を戻してもらう「還付申告」くらいでしょうか。

還付申告についてはこちらの記事でもご紹介しています↓↓↓
寡婦・寡夫控除でいくら戻る?所得税・住民税の金額と計算方法を解説!
寡婦・寡夫控除でいくら戻る?所得税・住民税の金額と計算方法を解説!

 

還付申告を行う場合の注意事項

還付申告自体は1年中いつでも実施することができ、かつ5年間はさかのぼって申請が可能です。しかし住民税に関してはいくつか注意しなければならない点があります。

1. なるべく住民税通知書の発送前に申告する

先ほどの住民税支払いの流れで、6月中にはその年の住民税額決定通知書が届くとご説明しました。この通知書は5月下旬頃から発送されることが多いのですが、それ以前に還付申告を行えば、その年の住民税額に反映してくれるのです。

よって還付して欲しい住民税が前年分の場合、年末調整や確定申告に間に合わなかったとしても、すぐに還付申告を行えば住民税はキチンと戻ってくる(減額される)んですね。

例えば2019年に払いすぎた住民税を2020年分で還付してもらいたい場合、2020年4月末までには確定申告を済ませることをおすすめします。

2. 申告が遅れると還付してもらえない場合がある

住民税通知書の発送後に還付申告を行うと、所得税は還付されても住民税は戻ってこないというケースもあります。それは以下の所得に対して支払った住民税の還付申告を行う場合です。

 

  • 上場株式等に係る配当所得等及び譲渡所得等
  • 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失や特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得に係る課税の特例

上記の所得について申告する場合は、必ず住民税通知書が発送される前に還付申告を行いましょう。

 

まとめ

住民税を払いすぎた場合に還付してもらえるのかどうか?もらえるならいつか?といった疑問について調査してみました。

住民税は所得税と異なり、前年の所得金額に応じて翌年の住民税額が決まる仕組みとなっており、決定した金額を6月から1年間かけて支払っていきます。よって基本的には年末調整のように現金で還付される訳ではなく、翌年の住民税額が控除に応じて減額される形で還付されます。

もしも払いすぎた住民税に後から気付いた時は、還付申告と言って個別に確定申告を行う必要があります。還付申告は1年中いつでも行えますが、住民税通知書が発送される前に済ませた方が、還付までの流れがスムーズになります。

もし還付申告をお考えの方はご注意ください。