【奨学金】繰り上げ返済とは?利息の計算方法や報奨金制度についても解説!

みのりたです。

貸与型の奨学金、特に有利子型を借りている人は、利子の返済がもったいないなと思われたことありませんか?

実は、奨学金でも繰り上げ返済をして返済の負担を減らすことができます。

今回は、そんな奨学金の繰り上げ返済について、制度の内容や申込み方法、具体的に支払額や利子がどう変わるのかについて、解説します。

今の内から知っておくと、その内住宅ローンを借りる際もきちんと返済イメージができるので、この機会に是非、ローンというものについて詳しくなっちゃいましょう(奨学金も立派なローンですから)。

また、記事後半では噂で聞く奨学金の報奨金制度についても、実際の所や現状について調べましたので、気になる方は参考にしてみて下さい。

注意
解説する具体的な手続き方法については、日本学生支援機構(JASSO)から借りている方限定での情報になりますので、予めご了承ください。

奨学金の繰り上げ返済制度の概要

繰り上げ返済とは

奨学金を借りている組織によって言い方は違うかも知れませんが、繰り上げ返済というのは、まだ完済し終わる前の奨学金を、前倒しして多めに返済することです。

※JASSOでは「割賦金の繰上返還」と呼んでいます。

例えば、本来の返済(返還)期間が15年と定められていた場合、途中で繰り上げ返済をすれば、返済額に応じて期間が12年、10年…と短くなります。

 

繰り上げ返済をする意味

卒業してから15年間も返済を続けていると、その内結婚して子供が産まれて…と、他にもお金のかかるライフイベントが山ほどやってきます。そんな時に、奨学金の返済負担がズシリと効いてきますから、早めに返済を終わらせるに越したことはありません。

それだけではありません。有利子型の奨学金を借りている人(JASSOなら第二種奨学金)は、月々の返済に利子がかかっています。

これは奨学金のみならず、住宅ローンやその他のローンでも一緒なのですが、利子というのは、月々の元本(本来返済しなければならない金額)残高に対して、金利の分だけ上乗せされて支払うお金です。あなたが使ったわけでもないのに、余分に払わないといけないお金なんです。

すごい勿体ないと思いませんか?こんなものは、なるべく払わない方が良いに決まっています。

ではどうすれば良いかと言うと、利子がかかる元である元本を少なくする=繰り上げ返済をするということになります。

繰り上げ返済の大まかな流れ

どこから奨学金を借りていたとしても、以下の大きな流れは一緒のはずです。

  1. 予め繰り上げ返済をする旨を、貸与元(ここではJASSO)に連絡する
  2. 引き落とし口座に繰り上げる金額を入れておく
  3. 期日になったら申請していた繰り上げ返済分、多めに返済金が引き落とされる

ちなみにJASSOの場合、繰り上げ返済を申し込むと、後日引き落とし前に「繰上返還通知書」が送られて来ます。申込み内容に間違いがなかったか、必ずチェックするようにしましょう。

注意
繰り上げ返済は在学中からでも手続きが可能ですが、リレー口座という引き落とし用の口座登録が必須になります。事前にリレー口座加入申し込みを済ませておきましょう。

リレー口座の申し込み手続きに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【奨学金】引き落とし口座変更方法は?残高不足やできなかった時の対処法も!
【奨学金】引き落とし口座変更方法は?残高不足やできなかった時の対処法も!

 

繰り上げ返済にかかる手数料

無駄なお金を節約できるなら、積極的に繰り上げ返済を使いたいですよね。しかし一方で、その手続きに手数料がかかっては本末転倒です。

少なくともJASSOでは、繰り上げ返済にかかる手数料は無料ですから、安心して下さい。いくら繰り上げても何回繰り上げても良いんです。他の奨学金でも、恐らく大抵は手数料を取られないと思いますよ。

繰り上げ返済で軽減される利息の計算方法

では具体的に、どの位の利子が軽減されるんでしょうか。計算してみましょう。ここでは計算のため、いくつか条件を仮定したA君を例に考えます。

A君の条件

  • 貸与していた奨学金:第二種奨学金
  • 利率の算定方法:利率固定方式
  • 貸与終了:2017年(平成29年)3月
  • 返済開始:2018年(平成30年)10月
  • 返済金額:480万円(月10万円×4年間と想定)
  • 返済期間:20年間 ※1
  • 返済利率:0.27%(年利) ※2

※1 返済期間は、借りた総額と割賦金の基礎額から自動的に決まります。返済期間が知りたい方はこちらをご参照ください。
日本学生支援機構 奨学金の返還「返還期間(回数)」

※2 返済利率は、貸与が終了した年月によって決まっています。利率について知りたい方はこちらをご参照ください。
日本学生支援機構 奨学金の制度(貸与型)「利率」

繰り上げ返済をしない場合

もしA君が繰り上げ返済を特にしなかった場合、返済総額については以下の通りです。利子だけで10万円以上取られる計算になりますね(ローンの中では金利は最下限に近いですが)。

  • 返済元本:480万円
  • 返済総額:約493万円
  • 利子の金額:約13万円
  • 返済回数:240回
  • 返済終了:2038年9月

ちなみにA君の条件の場合、月々の返済額は20600円程度となります。この辺のローンの計算は手計算で行うのはかなり難しいので、ネット上でローン計算ができるシミュレーションサイトを使うと便利ですよ。

高精度計算サイト「ローン返済(毎月払い)」

注意
  • 奨学金は「元利均等方式」での返済になります
  • 厳密には、卒業後7ヶ月目から返済が始まるのと、それまでの据置期間利息が別途加算されますので、月々の返済額は上記金額と少し異なります

早めに繰り上げ返済をする場合

それでは、1年後に繰り上げ返済をしてみましょう。例えば社会人2年目の夏のボーナスを使って、7月に30万円繰り上げ返済をしたとします。

その場合、10回目の返済で20600円+30万円=320600円を返済することになります。すると、返済総額は以下の通り変わりました。

  • 繰上げ返済:2018年7月
  • 返済総額:約491.6万円
  • 利子の総額:11.6万円
  • 返済回数:225回
  • 返済終了:2036年6月

どうでしょう、利子の総額が13万円→11.6万円と14000円少なくなり、かつ返済終了が15回(1年3ヶ月)分早くなりました。

高精度計算サイト「繰上げローン返済」

 

後から繰り上げ返済をする場合

同じ繰り上げ返済でも、実施する時期によって得になる利子の金額や短縮される期間は大きく異なります。

例えば先ほどのA君、返済を始めて10年後に60万円を繰り上げたとすると、どうなるでしょうか。先ほどと同じサイトを使って計算してみました。

  • 返済総額:約491.7万円
  • 利子の総額:11.7万円
  • 返済回数:211回
  • 返済終了:2035年4月

返済終了は早くなりましたが、利子の金額は13万円→11.7万円となり、先ほどの30万円の2倍も多く返済したのに、軽減された利子の金額は少なくなってしまいましたね。

このように、繰り上げ返済はなるべく早く実施した方が、得になる利子の金額も短縮される期間も大きくなります

結婚したり子供が出来たりすると、そちらにお金がかかって、なかなか奨学金の繰り上げ返済にまで手が回らなくなると思われます。もしも卒業から年数があまり経過しておらず、結婚もまだというなら、今の内に積極的に繰り上げ返済をしておくことをおすすめします。

ちなみに、みのりた自身は第一種奨学金(無利子型)のみ借りていたので、特に今まで繰り上げ返済をしたことがありませんが、産休・育休期間中でも返済が続いたので、やはり楽ではありませんでした。

無利子型を貸与している人でも、できるなら早めに完済されてしまった方が、後々かなり楽になりますよ(教訓)。

奨学金の繰り上げ返済方法

JASSOで奨学金を借りた方が繰り上げ返済を行う場合には、以下の3つの方法があります。

  1. スカラネット・パーソナル(PS)から申し込む
  2. 郵送・FAXで申し込む
  3. 電話で申し込む

みのりたが返済を始めた頃は、2か3しか手段がなかった気がしますが、今やネットで簡単に申し込めるので便利ですね。

スカラネットPSから申し込む場合

手順

①スカラネットから「各種届・願出・繰上返還手続き画面」へログインする

ログインはこちらから↓↓↓
スカラネット・パーソナルへようこそ

※スカラネットへの登録が済んでいない方は、先に済ませておきましょう

スカラネットへのログインから「各種届・願出・繰上返還手続き画面」へのログインまでには、ワンタイムパスワードの発行など、結構面倒な手続きがあります。そちらの方法については、下の記事を参考にして下さい。

繰り上げ返済も、住所変更等と途中(参考記事中の手順1~4)までやり方は同じです。

参考記事:【奨学金】住所変更や氏名変更はどうやる?結婚したらやるべき手続きの流れ
【奨学金】住所変更や氏名変更はどうやる?結婚したらやるべき手続きの流れ

②繰上返還手続きを行う

「各種届出種別選択」という画面で「3.繰上返還申込」を選択して、「次へ」ボタンをクリックします。

住所変更など他の変更でも同じだったんですが、ここで何故か誓約画面が出てきます。面倒ですが、自分の奨学生番号に間違いがないかのチェックと氏名の記入をして、「送信」ボタンをクリックします。

これでやっと繰上返還の申込み画面が出てきます。残高全てを返済(完済)する場合は「全額繰上」を、残高の一部を返済する場合は「一部繰上」を、それぞれ選択して「次へ」ボタンをクリックします。

③繰上返還の詳細を申請する

ご自身の奨学生番号一覧が出てきます。複数の奨学生番号がある場合は、どちらの奨学金を繰り上げ返済するかを選択してください。そして繰り上げ返済する額を「金額」で指定するか、「返済回数分」で指定するかを選択します。

例えば「100万円返済したい!」と金額を決めている場合は「金額」で指定し、「3年間返済を早めたい!」など期間を決めている場合は「回数」で指定すればOKです。

ちなみに「金額」を選択した場合は希望する繰上げ金額を入力する欄が出てきますし、

「回数」を選択した場合は希望する繰上げ回数を入力する欄が出てきます。

選択したら下へスクロールし、自分の登録済みのリレー口座に間違いがないかチェックします。間違いが無ければ「相違なし」を選択して、「確認」ボタンをクリックしましょう。

申請内容を確認し、「送信」ボタンを押せば、申請は完了します。受付完了画面で、念のため受付番号を控えておき、更に申請した分の資金をリレー口座に確実に入金しておきましょう。

申込み期間

繰上返還を希望する月の前月中旬~当月中旬

郵送・FAXで申し込む場合

「繰上返還申込書」に必要事項を記載の上、日本学生支援機構の奨学金センター宛てに送付します。郵送の場合、切手代は自己負担となります。

必要書類

繰上返還申込書はこちらからダウンロードできます↓↓↓
繰上返還申込書(PDF)

宛先

〒162-8412
東京都新宿区市谷本村町10-7
日本学生支援機構 奨学事務センター
FAX :03-6743-6683

申込み期間

開始:繰り上げ返済を希望する月の4ヶ月前
締切:繰り上げ返済を希望する月の1ヶ月前

 

電話で申し込む場合

奨学金返還相談センターへ電話をし、繰り上げ返済をしたい旨を伝えて下さい。

連絡先

電話:0570‐666‐301(ナビダイヤル)

注意

  • 海外からの電話、一部携帯電話、一部IP電話からかける際は、03‐6743‐6100 まで
  • 受付時間は、月曜~金曜:8時30分~20時00分(土日祝日・年末年始を除く)です
  • 通話料金がかかります(無料対象外です)

申込み期間

繰り上げ返済を希望する月の前月中に

奨学金の報奨金制度とは

報奨金制度というのは、JASSOから奨学金を借りていた人が、当初の予定より大幅に繰り上げて完済した場合に、「頑張ったご褒美」として、最後に返済した金額の一部を還元してもらえる制度の事です。

昔は「卒業してその場で全額返すと10%分の金額がもらえる」なんて噂もありました。この制度を使えば、生活に困っていなくてもあえて奨学金を借りて、振り込まれた分を全て貯金しておき、卒業したと同時に全額返してしまえば、10%分丸儲けできるという事になる訳です。

隠れた優秀な資産運用方法ですよね。

しかしこの報奨金制度、上記のように本来の主旨と異なる使い方をする人が多かったのでしょうか。平成17年度の奨学生から廃止となってしまいました。

従って、今の学生さん達はこの制度を使うことができません。頑張って返済しようとしていた人にとっては残念な話ですね。

ただ、今も一部の方は対象になっている可能性もありますので、一応念のため、どんな制度だったか具体的にご説明します。

対象者

平成16年度以前の奨学生として採用された人

 

還元される条件

最終返還期日の4年前までに、返還残高を一括で返還して完済した場合

 

還元される金額

最後の振替(支払い)額の内、繰り上げ返済に当たる金額に対して、以下の表に相当する金額が報奨金として還元

注意

  1. 返還期限を猶予されている期間は除外します
  2. 返還期間が元から4年以下の場合は、一括返済しても報奨金の対象にはなりません
  3. 過去に一部繰上返済している場合、最終返還期日が変更になっている可能性があり、報奨金の
    対象とならない場合があります

もしも対象者となる方がいらっしゃいましたら、せっかくでしたらこれを機に繰り上げ返済を頑張ってみてはいかがでしょうか?

まとめ

奨学金の繰り上げ返済制度について、その概要からメリット、具体的な方法について解説しました。また、利息の計算方法についても、例を使ってご紹介しました。

手続きがちょっと面倒に思われるかも知れませんが、有利子型の奨学金を借りていた人は、繰り上げ返済をすれば返す利子が浮いてお得になりますし、無利子型の人だって早く返し終わってしまう方が、後々の生活が楽になります。

昔は更に存在した、報奨金という「ご褒美」は廃止されてしまいましたが、それでも繰り上げ返済をすることは、奨学金返済において大きな意味を持っています。

完済までは長い道のりとなりますが、返せる内にドンドン返す!という心構えで、是非頑張っていきましょう。